■夏に太った人はこれを食べていた! オールアバウト「生活トレンド研究所」(http://allabout.co.jp/trend_lab/)のアンケートによると、男性の2割、女性の3割が昨夏「太った」と回答しました。
この数は実に全体の平均で25.1%と、4人に1人の割合の人が夏太り! 体重が減った(夏痩せした)と答えた人よりも多かったという興味深い結果が出ました。
夏は暑くて食欲が落ちているので、自身ではあまり食べない気がするという方も多いのではないでしょうか。
前述のアンケートで体重が増えたと答えた人の中で目立ったのは、夏によく食べていたという食事の内容。
特に「麺類」と「パン類」を食べた頻度が高いという共通項が。続いて気になる答えは「アイスなど冷たいもの」「おにぎり」。
実は、これらが食事のメインを占めてくると、ちょっと心配事が出てくるのです。
■栄養失調なのに太る? 暑いと食べる気持ちが弱まって、なんとなく、食べやすいもの・口当たりの良いもの・冷たいものなどに頼ってしまいがち。しっかりとした定食などは気疲れして手が伸びず、コンビニでおにぎり2個とお茶だけ、ベーカリーで菓子パン2個だけ……といった、軽食的な食事になってしまいませんか? 実は、これらは炭水化物をメインとしているのでカロリーはありますが、食事の献立としては栄養不足なのです。特にパン類や麺類は、口当たりの印象とは異なり、脂質や糖質が多く、カロリー自体は高いのに栄養価は低めという残念な一面も。
たとえば、ご飯や麺などを身体で使い切るにはビタミンB1が必要ですが、穀類主体の食事では十分な量が摂れません。パン類や揚げ物などに含まれる脂質をエネルギーとして使い切るにはビタミンB2が必要ですが、やはりこのような「炭水化物単体食べ」の食事では足りません。
夏に多い食事パターンだと、カロリーは足りているのに栄養失調を引き起こしてしまいやすいのです。
夏の栄養失調は夏バテ症状を引き起こし、さらに食欲が低下。体がダルくなり、さらにきちんと食べられないという悪循環に。食欲がなかったのに夏の終わりに体重が2kgアップ! というのはできれば避けたいですよね。
■炭水化物の単体食べにならないように! カロリー(エネルギー)とは、“量”を示す単位であり、栄養素としての“質”とは無関係。
量だけたくさんとっていても、質がそぐわなれば、エネルギーを体内で使いきれません。典型的な症状としては、いわゆる夏バテのようなダルさを感じたり、疲れやすくなったりします。
カロリーだけはしっかりとっているのに、栄養失調になっているかもしれません。
これを防ぐためには「おかず」を添えること。コンビニのおにぎりには、ゆで卵や厚焼き玉子を添えましょう。具材の少ない麺類の場合は、納豆や魚の缶詰などのおかずを添えてみてください。さらに野菜類も食べると、なお栄養バランスが整います。
夏の不規則な食生活から体脂肪や体重が増えてしまうという“栄養失調太り”を防ぐためには、食事内容のチョイスがとても大切です。
■大事な体内時計の存在 近年の日本人は、昔と比較しても食べる量が300kcal分くらいも減ってきているのに、生活習慣病としての肥満は増加し続けています。
外食や中食なども増えて脂質の摂り過ぎになったり、運動不足になっているのが原因と考えられていますが、もうひとつの原因が体内時計の乱れです。 たとえば、夏の開放感から夜遅くまで起きてしまったり、暑くて眠れないといったことから寝不足が続いてしまうと、体内時計がくるってしまいます。その結果、レプチンという食欲抑制ホルモンが減り、グレリンという食欲増進ホルモンが出て、普段よりも多く食べてしまうという実験報告があります。
さらに、寝不足時には揚げものや甘いもの、炭水化物といった嗜好性が高まるということもわかっていて、必要以上に食欲が増してしまうのです。 朝起きて代謝のスイッチを入れ、活動時間にしっかりと体温を上げるという機能が低下することで、一日に使うエネルギーとしての基礎代謝量(生命維持のために最低限必要とされるエネルギー量)が低下してしまい、より太りやすくなるということも心配されています。
■暑い夏を太らず過ごすコツ できるだけ同じ時間帯に就寝、決まった時間に起床して、朝食をとりましょう。体内時計を整えるために有効です。
外で朝食を買って食べてもOKですが、ヨーグルトや牛乳、たまご料理など、なにか1品たんぱく質を添えることを忘れずに。 昼食で麺類を選ぶときも、豆腐など豆製品、魚や肉のおかずなどを1品添えると栄養失調太りを防ぐことができます。
夕食時もお酒はほどほどにして、きちんと食事を食べる曜日を決め、意識的に栄養チャージを。疲れを引きずって食生活がおざなりになると、夏バテと夏太りの原因を引き起こしますので注意してくださいね。 夏はどうしても食欲が落ちてしまいますが、栄養失調太りを引き起こさないために、きちんと食べ続けることの大切さもお忘れなく!
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