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安塚の塩:フィリピン産・上越育ち、人気 アイデアと行動力で

フィリピンで生まれ、上越市安塚区で育った食塩が注目されている。「安塚の塩」の名前で販売され、「何の料理にも合う」「おにぎりにすると違いが分かる」と評判が良く、売り上げは右肩上がり。豪雪の山里でアイデアと行動力がつかんだ成功例だ。【長谷川隆】
手がけたのは、同区の旅館業、岩崎欣一さん(51)。合併前の旧安塚町職員で、「新しいことにチャレンジしたい」と06年3月に早期退職し、廃校になった小学校舎を改築した農業体験型宿泊施設「田舎屋」の運営を引き継いだ。その6月に開いた手打ちうどん教室がきっかけになった。
「塩水でこねると味が良くなる。特に塩と水が重要」。指導する岩崎さんの話に、参加していたフィリピン出身で同区の山岸デリアさん(50)が反応した。
デリアさんの故郷、パンガシナン州アマルバラン村は塩の産地。弟のリコ・モセリーナさん(46)も製塩業を営んでいた。海水を加熱せずに天日だけで製造したパンガシナンの塩は、新潟コシヒカリと同じほど比国でブランドイメージが高いという。
岩崎さんは旅館で妻朝子さん(52)と料理の腕を振るうが、こだわりで使いたいフランス産やイタリア産は値段が高すぎた。比国産に興味を持った岩崎さんは翌月、さっそく現地を訪ねた。
村の塩田の上流に広がる棚田や畑が目に入った。肥沃(ひよく)な土地を通って流れる川にはミネラルが豊富に含まれ、海に注ぐ。良質の塩の理由が分かった。ただ、塩の苦みと渋みが気になった。リコさんから「寝かせて丸くなる」とアドバイスを受け、試しに1トンを持ち帰った。
自宅にある木造小屋に小分けして寝かせた。1年後、口にするとまろやかになっていた。購入量を増やし、2年以上寝かせた後、旅館の料理で使ったり、1キロ735円で地元の主婦らや料理店などに売り始めた。大粒の粗塩だが、すぐ溶ける。野菜の塩ゆで、吸い物、浅漬け、焼き肉、魚の塩焼きなどに合い、評判になった。岩崎さんは「高品質な塩が安塚の雪や湿度、気候風土でまろやかに変身した」と納得する。
懸け橋となったデリアさんは87年に来日。日本人の夫(60)と中学1年になった2人の娘にも恵まれた。「フィリピンの塩がおいしいと言われると自分がほめられたようでうれしい。自信にもなる」と笑顔を見せる。3月中旬、3年ぶりに家族と里帰りするという。
「高品質の塩を安く提供することで地元の利益になる。微力ながらフィリピンのためにもなっている」。岩崎さんは目を細めた。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110227-00000099-mailo-l15

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