日本人女性の12人に1人が罹患するといわれている乳がん。元女子プロレスラーでタレントの北斗晶さんが乳がん闘病中ということもあり、「自分は大丈夫かしら?」と感じている方は大勢いることでしょう。
乳がんは早期に発見できれば、90%以上は治癒し、生命を落とすことはほとんどないのだそうですが、そうなると、日頃から“いかに乳房に対して意識を高くもっておくか”が大切ですよね?
そこで今回は、NPO法人乳房健康研究会編著『乳がんの早期発見と治療』や女性の医学事典『ウィメンズ・メディカ』などを参考に、女性なら知っておくべき“乳がんに気づく7つの自覚症状”とセルフチェックのコツをご紹介します。
■早期の乳がんは“自覚症状がない”のが実情
乳がんに気づく7つの自覚症状を確認する前に、そもそも、乳がんは早い段階から自覚症状が出るか、あるいは出ないのか、ご存じでしょうか?
どんな病気でも早期発見をし、治療にのぞみたいと思うものですが、『乳がんの早期発見と治療』によれば、残念ながら、早期の乳がん(0期、Ⅰ期)は自覚症状がほとんど出ないのだそうです。
体調不良もなく、胸のしこりが“2cm”以下のため自分で触っていても分からない、というのが実情のようです。
■自分の乳房に関心をもとう! “乳がんに気づく”症状7つ
早期の乳がんは自覚症状がほとんど出ないのが特徴だからこそ、日頃からご自身の乳房に関心をもって接すること、そして定期的ながん検診を受けることが大切になってきます。
以下に、乳がんに気づく自覚症状を7つまとめます。セルフチェックをする際の目安にしてみてください。
(1)乳房に“しこり”ができていないか?
(2)乳房に“くぼみ”ができていないか?
(3)乳房の皮膚が“オレンジの皮”のようになっていないか?
(4)生理周期と関係なく、乳房に“痛み”を感じないか?
(5)乳頭から“血液の混じった分泌物”が出ないか?
(6)乳頭が“ただれ”ていないか?
(7)わきの下にしこりができていないか?
上述のとおり、早期の乳がんはしこりが2cm以下のため、ちょっとした変化でも見逃さないようにしましょう!
■乳がんのセルフチェックは、お風呂でもできる
ちなみに、『ウィメンズ・メディカ』によれば、乳房のセルフチェックは月1回、“生理が始まって3~4日後”のタイミングに行うのがベストとのこと。
生理周期とあわせ、「毎月この日に行おう」と決めてセルフチェックをするようにしたいものですが、だんだんサボりがちになってしまうこともあるかもしれません。
そこでオススメなのが、セルフチェックを“お風呂で行う”です。『ウィメンズ・メディカ』を参考に、お風呂でのチェック法を紹介します。
(1)石けんを泡立てて、4本の指の腹で小さく円を描くように、乳房全体をなでる
(2)腕を上げた状態で、(1)と同じように、小さな円を描くようになでる
(3)乳房をつまんだり、ひっぱったりすると正しくチェックできないため、片側ずつゆっくり行う
お風呂に入るのは毎日のことですし、これなら体を洗うついでに行えるのが気楽でいいですね。
なお、お風呂から出たら、次のチェックもしましょう。
(4)鏡に映し、腕を下した状態で乳房の形や色、ひきつれやへこみなどを目視でチェック。それから、両腕を上げた状態でもチェック
(5)左右の乳首を軽くつまみ、分泌物が出ないかチェックする
乳がんは、外から触ってわかる場所に発生し、かつ自分で早期発見できる唯一のがん。早期に気づくためにも、乳がんのセルフチェックを習慣化したいですね。
■乳がんが発生する部位、一番多いのはどこ?
乳がんというと、しこりができるというイメージをお持ちの方が少なくないと思いますが、乳房のどのあたりに発生しやすいのか、どの部位が一番多いのか、詳しく知りませんよね。
『ウィメンズ・メディカ』を参考に、乳がんの発生部位をランキング形式でお伝えします。
1位:外側上方(50%)
2位:内側上方(20%)
同率3位:外側下方(10%)
同率3位:2つ以上の領域にまたがるもの(10%)
同率5位:内側下方(5%)
同率5位:乳頭直下(5%)
特に1位の外側上方に高確率で発生しやすいことがわかります。
この部位に乳がんができやすい理由としては、ほかの部位にくらべて、乳腺がたくさんあるからだそうです。
ですので、セルフチェックを行う際は、外側上方を意識しつつ、まんべんなく行うようにしていきましょう!
以上、知っておくべき“乳がんに気づく7つの自覚症状”とセルフチェックのコツをご紹介しましたが、いかがでしたか?
セルフチェックは月1回行うように習慣化し、30歳を過ぎたら、年に1回乳がん検診を受けるようにしましょう。
自治体で行っている乳がん検診の費用は、無料~3千円前後。
自費で行う場合は、問診・視触診(ししょくしん)・マンモグラフィ・超音波検査を行って、1万5千~2万5千円前後。検診には健康保険が使えませんが、乳がんを早期発見するためにも、費用を惜しまず、受けるようにしたいですね。
ご参考にしてみてください。
(ライター 大宮つる)
http://wooris.jp/archives/196829