スマートフォンを保護や装飾する目的で、様々なスマートフォンケースが販売されています。そのうち、内部に液体が封入された商品から漏れた液体が皮膚に付着し、化学やけどを負った事例がインターネット等で報告されています。
PIO-NET(注1)(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)には「漏れた液体でかぶれた」、「においで気分が悪くなった」といった危害事例が5件(注2)寄せられており、いずれも2015年以降の報告でした。
そこで、スマートフォンケースに封入された液体について、皮膚への刺激性を調べ、被害の未然防止のために、消費者に注意喚起を行うこととしました。
- (注1)PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)とは、国民生活センターと全国の消費生活センター等をオンラインネットワークで結び、消費生活に関する相談情報を蓄積しているデータベースのことです。
- (注2)2011年4月~2016年2月29日までの登録分。件数は本公表のために特別に事例を精査したものです。
テスト
皮膚への刺激性
- 封入された液体について、皮膚一次刺激性試験(注3)を行ったところ、3銘柄が「強い刺激性」「皮膚腐食性あり」、1銘柄が「中等度の刺激性」と評価されました。
- (注3)検体を試験動物の皮膚に適用し、その刺激反応の程度を調べる試験。
表示の確認
- 封入された液体について、人体に影響があると表示していたのは2銘柄のみでした。
写真. テスト対象銘柄の外観
消費者へのアドバイス
- 液漏れが確認された場合は、直ちに使用をやめましょう。
- 液体が皮膚に付着したら直ちに洗い流し、液体がしみ込んだ衣類は使用し続けないようにしましょう。
- 強いにおいにより体調を崩すことがあるので気を付けましょう。
事業者への要望
- 商品に封入されている液体の人体への影響等について、適切な表示を行うよう要望します。
- 商品に封入された液体を変更するなど、より安全性に配慮した商品の開発を要望します。
情報提供先
- 消費者庁 消費者安全課(法人番号5000012010024)
- 内閣府 消費者委員会事務局(法人番号2000012010019)
- 厚生労働省 医薬・生活衛生局 審査管理課 化学物質安全対策室(法人番号6000012070001)
- 経済産業省 商務情報政策局 製品安全課(法人番号4000012090001)
- 公益社団法人日本通信販売協会(法人番号9010005018680)
- 一般社団法人SSCI-Net(皮膚安全性症例情報ネット)(法人番号8180005016710)
本件連絡先 商品テスト部
電話 042-758-3165
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20160421_1.html