今年も もうすぐやってくる…
花粉症の人にとってつらい季節がやってくる。早い地域では2月上旬から花粉の飛散が始まりそうだ。そんな中、様々な花粉対策グッズが売り出されている。
■半数が悩み
環境省が1月28日に発表した予測によると、今春のスギとヒノキの花粉の総飛散量は、全国の多くの地域で例年並みか、やや少ないとされる。
ただ、暖冬の影響もあって、飛散の開始時期は全国的に例年並みかやや早めとなりそう。関東・東海・近畿の一部や、九州と四国の大部分では2月上旬に飛び始めると予測されている。早めの対策が肝心だ。
花粉症に悩む人はどのくらいいるのだろうか。アサヒグループホールディングスが全国の20歳以上の男女に実施した意識調査(2014年、有効回答2219人)によると、「ひどい花粉症」「少し花粉症気味」と答えた人は計52%に上った。
一方、アサヒ飲料の調査(12年)では、花粉症と自覚している全国の20~50歳代の男女1600人のうち、35%が「1日のくしゃみの回数が11回以上」などの「重症」に該当。うち24%は5年以内、8%は1年以内に発症したと答えた。
■化粧崩れなし
花粉対策では口や鼻を覆うマスクに加え、最近はスプレーやジェルタイプの対策グッズが登場している。顔に吹き付けたり、鼻に塗ったりすることで花粉の付着や侵入を防ぎ、症状を抑える効果を狙ったものだ。大手メーカーによると、こうした商品は、接客などで仕事中にマスクをしにくい人や、化粧崩れを気にする女性などに人気だという。
フマキラーが15年11月に発売した「アレルシャット ウイルス花粉 イオンでブロック スプレータイプ 160回分」(税込み1080円)は顔や髪に吹き付けるスプレー。プラスイオンが顔や髪を覆い、花粉をはじいたり吸着したりして、目や鼻、口に入り込むのを防ぐという。肌を潤す成分も配合し、化粧の上からでも使える。
資生堂が1月に発売した「イハダ アレルスクリーンジェル」(同972円)は鼻や目の周りに塗るジェル。独自技術により、プラスとマイナスの両方の電荷を持った成分が花粉をはじき、吸着を防ぐ効果があるという。ピュアオレンジなど香りは2種類あり、こちらも化粧の上から使用できる。
■着る物も
花粉対策の機能をもたせた眼鏡や衣類も進化している。
ジェイアイエヌが1月に発売した眼鏡「JINS 花粉CUT CLEAN」(同5292円~)は、フレームに花粉のアレルギー物質などを分解する特殊な塗料が塗られている。紫外線が当たると活性酸素を生成し、フレームに付着した花粉などの有害物質を水と二酸化炭素に分解、目に入るのを防ぐ効果があるという。
三陽商会は1月から、花粉対策機能をもつ春用コート「花粉プロテクトコート」の発売を始めた。3月までに「サンヨー」や「アマカ」など婦人・紳士の計11ブランドで21種類(同3万1320~8万2080円)を順次発売する。このうち、2月中旬に発売予定のサンヨーの婦人用トレンチコート(同8万2080円)は高密度に織った綿100%の生地を使用し、付着した花粉が滑り落ちやすいほか、水をはじき、蒸れにくいという。(福森誠)
(2016年2月1日 読売新聞朝刊掲載)
(2016年2月8日 読売新聞)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=130102