近年、偏平足や足指の変形など、足にトラブルを抱えた子どもたちが増えている。足のトラブルは、悪い姿勢や骨格のゆがみなどの引き金となり、注意が必要だ。ベネッセ教育情報サイトでは、桜美林大学教授の阿久根英昭氏に、正しい歩き方や、子どもの足の成長を妨げない靴選びのコツについて教えてもらった。
偏平足や足指の変形を防ぐためには、とにかく足をよく使い、正しい姿勢で歩くこと。かかとから指先まで、S字を描くように着いて歩く「S字歩行」が理想的です。S字歩行では、
「かかとの外側から地面につき、小指のつけ根から親指のつけ根へと重心を移動させ、指で蹴り出す」ようにします。また、「足は第二の心臓」と呼ばれ、足を動かさずにいると、血行が悪くなり、むくみの原因となります。
先が細くて窮屈な靴は、外反母趾(ぼし)や浮き指など、足指の変形の原因となります。一方、子どもは成長が早いからと、やたらと横幅が広いパカパカした靴を履かせている保護者をときどき見かけますが、これも着地が不安定になり、よくありません。靴選びで、いちばん大事なのはフィット感です。足をしっかりくるんで保護しつつ、子どもの自由な動きを妨げない靴を選びましょう。子どもの靴選びの条件は以下です。
・つま先にゆとりがある
・かかとに安定感がある
・ソールに適度な弾力がある
・通気性&柔らかさ
・靴ひもがある
元気な足を取り戻すためには、歩いたり、駆けまわったりするのがいちばん。決まった動きになりがちなスポーツより、さまざまな動きが体験できる外遊びがおすすめです。近くに遊び場がないなど、さまざまな問題はありますが、今の子どもたちには、勉強や習い事よりも、自然の中へ連れ出して体を動かす経験をさせることが大事なのではないでしょうか。草原や川原などでは、ときには靴を脱ぎ、はだしの気持ちよさも体験させてあげたいものです。はだしになると、子どもたちの行動も急に生き生きとしてきます。ただし、危険のないよう、目を離さず見守ることが大切です。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160105-00010000-benesseks-life