兵庫県の加古川市シルバー人材センターが運営する「たんぽぽ保育園」(同市平岡町新在家)が、地域の子育て支援に一役買っている。全国に約1300事業所あるシルバー人材センターの中で、保育園事業への参入は初の試みという。経験豊かな保育士らがきめ細かいサービスを提供しており、「ベテランが多いので安心して子どもを預けられる」と保護者から好評を得ている。(辰巳直之)
地域の社会貢献を目指す同センターは、市内の待機児童数が多い点に着目。保育士OGの会員の経験を生かそうと、昨年4月、空き家を借り上げて保育園をオープンした。
4月に導入された「子ども・子育て支援新制度」を受け、市に認可申請。10月に認可を受け、都市部の待機児童解消の柱とされる0~2歳児向けの「小規模保育」(定員6~19人)を実施している。
同園には、保育士経験を持つ会員を含む50~60代の女性13人が交代で勤務。共働き家庭などの子どもが対象で、現在は定員の12人を受け入れている。保育園で40年近く勤めた経験のある井尻玉子園長(63)は「ほっとするような家庭的な雰囲気づくりを心掛けている」と話す。
保護者にとって、同園の保育士は“母親世代”にあたる。事務員の江口郁恵さん(31)は「自分の両親は近くに住んでいないので、子育てや仕事のことで相談に乗ってもらっている」と喜ぶ。3歳の長男を預けるパート従業員(30)は「子どもは、おばあちゃん子なので、すごくなじんでいる」と笑顔で話していた。
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