全国の消費生活センターに寄せられた掃除サービス(注)に関する相談件数は、近年、増加傾向にあり、2013年度以降は1,000件近くとなっています(図1)。こうした掃除サービスには、エアコンや換気扇のクリーニングといった掃除等に関するトラブルについての相談が多く寄せられています。
一般的に、掃除サービスは、社会の高齢化が進んでいることや、単身世帯の増加、また、女性の社会進出が進むことにより、その市場規模は、今後ますます拡大していくことが予想されます。そして、掃除サービスを利用することで、時間的・精神的・体力的に余裕が生まれ、ゆとりのある生活につながる等の効果があると言われています。
その一方で、こうした掃除サービスに関するトラブル等の相談件数は増加傾向にあり、その契約当事者は女性が77%を占め、年代別では30代から80代に幅広く苦情が発生している状況です。
これから年末大掃除の季節を迎え、掃除サービスを利用しようと考える人が増えるこの時期に、掃除サービスでトラブルに遭わないためにはどうすれば良いか、トラブルの実情を周知するとともに、利用する方への注意点について情報提供を行います。
- (注)本公表資料において、「掃除サービス」とは、事業者が家庭に出向いて、有料で掃除を行うサービスを指す。
図1 掃除サービスに関する相談件数の推移
2010年度の相談件数は804件、2011年度は792件、2012年度は783件、2013年度は940件、2014年度は919件、2015年度は524件です。
相談事例
- 【事例1】
- 掃除サービスの事業者に見積もりを取り、後日作業に来てもらった。2人で1時間半の作業時間のはずが、1人で1時間の作業で、見積もりどおりの金額を請求された
- 【事例2】
- 作業をしないで帰ったのに、キャンセル料として費用全額を請求された
- 【事例3】
- ハウスクリーニング事業者にワックスの塗り替えを依頼したが、あがりかまちのワックスを剥がした際、木自体がこすれて白く変色した。
- 【事例4】
- 約2年半前から3カ月に1度、水回りの清掃を1回約3万円の現金払いで依頼しているが、掃除が雑で時間が短い。支払いたくない。
- 【事例5】
- エアコン洗浄事業者に浴室の汚れ防止工事を勧められて契約し、即日工事をした。高額で不審
相談事例からみられる問題点
- 掃除サービスの料金体系は各社様々。見積もりと異なるサービスでの請求も
- キャンセル料がどのような場合、いつから、いくら発生するのか不透明
- 掃除サービス実施後の故障、破損やサービスの不満も
- 安価なサービスを持ち掛け、その後、高額なサービスを勧誘する事業者
消費者へのアドバイス
- 複数社から見積もりを取り、納得した上でサービスを依頼しましょう
- 破損や紛失等があった場合の補償等について、事前に十分確認しておきましょう
- 自宅で掃除サービスの契約を締結した場合、原則としてクーリング・オフができます
- 事業者とトラブルになった場合には、消費生活センターに相談しましょう
情報提供先
- 消費者庁 消費者政策課
- 消費者庁 取引対策課
- 内閣府 消費者委員会事務局
- 経済産業省 商務情報政策局 サービス政策課
- 経済産業省 商務流通保安グループ商取引・消費経済政策課 消費経済企画室
- 公益社団法人全国ハウスクリーニング協会
- 一般社団法人全国家事代行サービス協会
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。
http://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20151203_1.html