日本介護福祉士養成施設協会(小林光俊会長)はこのほど、新しい国家資格として「管理介護福祉士」(仮称)の試案をまとめた。介護施設・事業所でのサービス管理や、高齢者らの在宅生活を支える医療・介護連携などを担う人材として、介護福祉士養成課程(2年以上)を含んだ4年課程で養成する。
同協会内に検討委員会を設けて2013年度から議論し、このほど報告書をまとめた。10月30日付の厚生労働大臣宛て要望書にも管理介護福祉士創設を盛り込んだ。
教育内容は未定だが、管理介護福祉士が持つ職業能力として「ICF(国際生活機能分類)に基づく介護過程の管理・指導」「認知症の人や障害児・者のケアの指導」などを挙げた。
高卒後4年間で3600時間の課程を修了することを基本とするが、既に介護福祉士を持つ人が同課程に編入したり、2年分の別課程を学ぶことを認めたりする。卒業時には管理介護福祉士の国家試験の受験を課す。
厚労省は今年2月にまとめた社会保障審議会福祉部会報告書で、介護人材の裾野を広げる一方、明確化された専門性を持つ人材を育成する方針を明記。介護人材の類型化・機能分化に関する調査事業も進めている。
同協会は管理介護福祉士の創設が厚労省の方針に沿ったものだとアピールし、検討を進める。今年4月の養成施設の定員充足率(暫定値)が46%と苦戦していることから、新資格の創設で事態を打開したい考えだ。
管理介護福祉士の検討委員の一人、田中愽一・同協会副会長は、18日に都内で開いた教職員研修会で、「現在の養成施設の問題は、『介護過程』の教授方法が確立していないことだ」とし、科学的に介護する手続きを管理介護福祉士養成の核とする考えを示した。
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