「熱性けいれん」という言葉は、育児中のおうちのかたなら一度は耳にしたことがあるはず。しかし実際に、わが子が熱性けいれんを起こしたとき、落ち着いて冷静に対処できるでしょうか。初めて見るけいれんの様子にショックを受け、パニックを起こしてしまうケースもあります。熱性けいれんの症状や、取るべき行動を知っておき、もしものときに備えましょう。
熱性けいれんとは、発熱に伴って起きることがある、けいれんや意識障害です。主な症状としては、全身が強くこわばったり震えたりするけいれん、嘔吐(おうと)、チアノーゼ(唇や爪先が青紫色になる)、呼びかけに応じない、白目をむく、などがあります。5歳以下の乳幼児の約10%と比較的多い割合で起こり、発症のピークは1~2歳。6歳を過ぎるとほとんど発症することはなくなります。
お子さまに熱性けいれんが疑われるような症状があった場合、一番大切なのは「落ち着くこと」です。まず、家庭ですべき対応は3つ。ゆっくり深呼吸をしてから対応しましょう。
(1)衣服をゆるめ、吐いてもいいように顔を横に向ける
(2)けいれんが始まった時間と体温を確認する
(3)そっと観察する(ゆすったり、水分を与えようとしたりしない)
特に気をつけて見ておきたいポイントは、けいれんが起こっている時間、けいれんの仕方、目玉の向きなどです。これらを落ち着いて観察しながら、すぐに受診すべきケースかどうかを見極めましょう。
【緊急で受診すべき場合】
・5分以上けいれんが治まらない
・けいれんが治まっても、意識障害や嘔吐、まひなどの症状が残っている
・体の一部だけのけいれん、または左右非対称のけいれんを起こした
・熱がないのにけいれんを起こした
・1日に2回以上けいれんを起こした
・6ヵ月未満もしくは6歳以上でけいれんを起こした
・目が片方に寄っている
どれかひとつでも当てはまる場合は、早急に受診しましょう。救急車を呼ぶかどうか判断に迷う場合は、厚生労働省の小児救急電話相談「♯8000」に電話をして指示を仰ぐという方法もあります。
子どもが熱性けいれんを起こしている姿を、じっと見ているだけというのは非常につらいものです。しかし、良かれと思ってゆすったり、舌をかまないようにタオルを噛ませたりしてしまうのはかえって事態を悪化させることにもなりかねません。普段の様子をよく知っているおうちのかたが、落ち着いてお子さまを観察することが、正しい処置につながるということを覚えておきましょう。
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