青少年は近年最高もピーク時より低い水準
2020年の東京五輪開催に向けたスポーツ施策などを推進するスポーツ庁は10月11日、「平成26年度体力・運動能力調査」の結果を発表した。青少年(6~19歳)では、ほとんどの年代で体力・運動能力が緩やかに向上したが、ピーク時に比べると依然として低い水準。一方、75~79歳の男女では過去最高を記録するなど、50歳以降の体力・運動能力が向上していることが分かった。
「普通体重」の人ほど体力年齢が若い傾向
スポーツ庁は、文部科学省の外局として今年10月1日に発足した行政機関。同省では、前身の文部省時代の1964年から、国民の体力増進策の一つとして「体力・運動能力調査(通称:スポーツテスト)」を実施しており、1999年からは現状に合った種目の「新体力テスト」を導入して調査を続けている。
今回の調査結果では、青少年(6~19歳)は11歳の女子、13歳と16歳の男女で過去17年間の「新体力テスト」での過去最高の合計点を記録した。しかし、体力水準が高かった1985年頃と比べると、依然として低い水準だったという。
成年(20~59歳)では、男女ともに50歳以降で新体力テストの合計点の向上傾向が見られた。また、スポーツによる健康増進の観点から、肥満度を表す「体格指数(BMI)」と「体力年齢」の関係を調べたところ、BMIが18.5以上25未満の「普通体重」の人は、体力年齢が実際の年齢よりも若い「A」判定となった割合が、「低体重」と「肥満」の人に比べて多かったという。
運動と日常生活動作の関係も調査
高齢者(65~79歳)では、日常生活で必要な動作とスポーツ・運動習慣の関係の調査も合わせて行われた。「何にもつかまらないで立ったままズボンやスカートがはける」かの質問には、スポーツや運動を「ほとんど毎日(週3~4日以上)」行っている男性の85%、女性の82%が「できる」と回答。一方、スポーツをしない人では男性69%、女性67%にとどまった。
また、運動を「ほとんど毎日」実施する75~79歳は、そうでない人に比べて10メートル障害物歩行の記録が良かったという。
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