笠井です。
私立の養護学校 学校法人大出学園 若葉養護学校の大出先生を講師に迎えて勉強会を開いた。
若葉養護学校の障害者は、親元を離れて、他の子たちと寝食を共にしながら暮らす。
大出先生のお話では、
私立の養護学校は決して利益は上がらない、私費を投じて学校運営に充てている場合がほとんどだとのことだ。
大出先生の学校でも、また、同じ問題にぶつかっているが、
何よりも偽りのない、障害者を第一に考える一途なまでの思いが、問題を乗り越えるための様々なアイディアを湧きださせているようだ。
若葉養護学校は、全国で最も作業学習の多い養護学校とのことだった。
障害者に、まずは「働く」という意欲をつけさせるために、様々な授業を組む。
地域に出て、600坪の休耕畑を無償で借り受け、根菜類などを栽培する「農園芸バイオコース」。
ほかにも「食品製造コース」「染色コース」といった、若葉養護学校さん特有のコースがある。
作業学習の内容は、必ずしもコースの枠組みにはまらず様々で、県立のフラワーパークに出向いて除草作業をしてきたり、近くの大きな工場の清掃業務なども受けているという。
生徒さん(障害者)達には、この作業学習の中で一定の基準を達成できるように頑張ってもらい、その基準を超えたら「お金」がもらえる、という仕組みになっているのだそうだ。
生徒達に支払ってもお金が残ったら、それは学校運営に充てるのだそうだ。
経済活動を伴った教育!!
学校でお金を払うというのは異質な感が否めないが、大出先生は、周りから誤解され何と言われようと全く意に介さない。
なぜなら、「働く意欲をつけさせることが、障害者自身のためであり、それが教育なんだ」という揺るぎない信念に基づく行動だからだ。
大出先生の話を聞き進めるほどに、彼の生活ぶりも分かってきた。
土日は職員を休みにさせて、奥さんと二人で生徒たちの面倒をみているとか・・・
大出先生にとっては、面倒をみるという感覚ではなく、普通に一緒に暮らしているだけといったところなんだろうが、休みなく自分の時間すべてを障害の子たちのために注ぎ込んでいる姿に感銘を受けた。
新潟から同行した仲間の一人で福祉実力No.1、福祉施設の施設庁でもあるK氏も、大出先生の話を聴いた後に唸りながら一言漏らした。「彼は本物だ」と
世の中には、こんな人もいるんですねぇ。
障害の世界の一番の当事者は、本来、障害の子の親だ(と思う)。
大出先生のような人たちに甘えてばかりはいられない。
私たち障害者の親も、もっともっと頑張らねば!
自ら行動を起こさねば!