skymaxです。
最近は新聞やラジオなどでもルーリン彗星の話題が取り上げられるようになりました。
先日も天文とは無縁の知人からこの彗星について質問を受けました。
そこで本当のところはどうなのかをご紹介しましょう。
�ルーリン彗星とは何か
2007年7月に台湾の鹿林(ルーリン)天文台で発見された彗星です。当初は彗星ではなく、彗星によく似た軌道の小惑星とみられていました。
その後、彗星の活動が観測され、ルーリン彗星と呼ばれるようになりました。
今年の1月上旬に太陽に最接近して明るくなりました。
この後、地球との位置関係が良くなり、彗星は地球に接近します。
新聞では『この彗星は周期が数千年でこのチャンスを逃すと二度と観測出来ない』と書かれています。
間違いではありませんが、ルーリン彗星に限らず、一部の周期彗星を除いて、彗星は普通数千年の周期で太陽の回りを回っています。どれだけニュース性があるのか疑問です。
�どのくらい明るくなるのか?
残念ながら、今以上には明るくならないでしょう。
彗星は太陽に接近した時が、最も明るいのです。
地球との位置関係が良くなり見やすい位置にくるために計算上の明るさが上がるものの、単位面積あたりの光量は低下するので、逆に見た目は暗くなると考えられます。
2月下旬頃、予報された明るさは約4等ですが、これは4等の恒星をピンぼけにした状態と同じ位の明るさという意味です。 肉眼では気が付かない人がほとんどでしょう。
しかし、彗星の明るさほど、先の読めない天体現象はありません。
私はいつもわくわくしながら、ルーリン彗星を観測しているのです。
わからないからこそ見るのです。
双眼鏡をお持ちの方は、早起きして観察して見てください。
街中からでも十分に見えますよ。
詳しい位置は天文雑誌をご覧下さいね。