« 車道の自転車 | メイン | 防災安全大学(8.29)前半 »

「事故や気象情報は要らない」について

先日、会員から↓このようなご意見をいただきました。
「いつも情報をありがとうございます。実は小さい子供がおり、不審者情報を送って頂けると知人に聞いて登録したのですが、最近は事故や天候など他の情報も多々あり、その都度の受信に少し戸惑っています。確かに情報を頂いて助かっている方もおられるとは思いますが、私のように受信が多すぎるという方もおられると思います。受信できる情報を選べるようにして頂けると有り難いなぁと思い、メールさせて頂きました。この先も登録していたいのですが、こう情報がたくさん入ってきますと登録自体を悩んでしまいます。」

この方以外にも、同じように感じている方がおられるかもしれないと思いましたので、ブログで回答させていただくことにしました。

「不審者情報が受信できる」と聞いて登録したのに、不審者情報以外に大雨警報やら交通事故の情報やらが配信されて来たとしたら…「メールが邪魔くさい」と思うお気持ち…分からない訳ではありません。

しかし、ちょっとだけ考えてみてください。
あなたが不審者情報を受信しようと思ったのは何のためでしょうか?
それは、子どもを守りたいと思ったからですよね!?
子どもは不審者にだけ注意していれば守れるでしょうか?

ここ長岡はわずか数年の間に度重なる大災害に見舞われてきました。
子どもは災害弱者です。
その子ども達の命を守るために、私たちが作るべき情報共有網はどのような情報共有網であるべきなのでしょうか?

普段は不審者情報等を共有している情報網だが、いざ災害となれば、それを災害情報共有網として活用する…こういった情報共有網であるべきではないかと私たちは思うのです。

ここで、まず、皆さんに分かってもらいたいこと。
それは、子どもを守るための情報共有網であるのならば、不審者情報だけを共有していれば良いというものではないということ。
ここは重要な点ですので、どうかご理解いただきたく思います。

さて次に、その、子ども達を守るための情報共有網では、不審者情報以外にどのような情報を配信するべきなのか?という点についてです。

現状は、気象警報や交通事故、建物火災などの情報を配信しています。
気象警報については、先ほどから説明申し上げておりますとおり、災害関連の情報なので、容易にご理解いただけるのではないかと思いますが、問題は交通事故や火災などの情報のほうですね。
こちらのほうは、あるいは多くの皆さんがその必要性について「???」と思っておられるかもしれません。
良い機会ですから、ご説明させていただきます。

結論から申し上げます。
実は、交通事故や火災の情報を配信する最大の目的は「特派員の訓練」なのです。
では、なぜ特派員の訓練が必要なのか?

そもそも特派員とは、災害時に被災各地の生の情報を収集するために設置しています。

皆さん、災害時のことを少しだけ思い出してみてください。
行政機関から、各地の電気やガス等のライフラインの損傷状況、道路などの被害状況等が情報として提供されてきますが、実際には、それだけでは困ることだらけではありませんでしたか?
たとえば、、、
・営業しているガソリンスタンドはどこか?
(冬場の災害ならば、車の中で暖を取る人も大勢いるでしょう)
・営業しているコンビニはどこか?
(急場をしのぐ食品類をコンビニに求める人が大勢いるでしょう)
・営業している入浴施設はないか?
(自宅の風呂が使えなければ、どこかで入浴させてもらうしかありません)
・幹線道路が大渋滞で身動きがとれない。

これらの情報は、情報源を行政頼みにしていては決して得ることのできない情報ばかりでした。
そこで、私たちは各地に特派員を設置し、災害時に特派員から生の情報を速やかに収集しようと考えたのです。
災害下における生きた情報共有網は、特派員の整備によって初めて為し得るものだと考えたのです。
しかし、特派員は配置しただけでは機能するとは限りません。
普段から訓練を重ねてこそ、いざという時に機能するもの。
そういった考え方から、「情報の的確な収集と伝達」のため、普段においては交通事故や火災等の情報を対象に練習を繰り返し行っている訳なのです。
こういった訓練は、皆さんにとっては、もしかすると「邪魔くさい」ことなのかもしれません。

ここで、皆さんに分かってもらいたいことは、生きた情報共有網とは普段使いの上で成り立っているものであって、普段使いなくして緊急時に役に立つ情報網にはなり得ないということであります。
緊急時のための訓練ですから、交通事故や火災の情報を受信することに是非ともご理解とご協力をお願いします。

次に、「受信できる情報を選べるようにしてもらえないか」という点について回答いたします。

これに関するお話をする上では、どうしても費用の問題に触れない訳にはいきません。

皆さんから「受信したい情報」と「そうでない情報」を聞き取り、それに応じて配信の仕分けを行うことは、一万人超という会員数を考慮した時、手作業では到底無理なことだということはご理解いただけると思います。

事務局が配信作業を一回行う。
すると、情報を受信したいという人には送るが、そうでない人には送らないといった内容の作業を、不審者情報だけの場合、交通事故情報だけの場合、あるいはそれ以外の情報と抱き合わせになっていた場合等々の様々な場合において適切かつ迅速に行うのは、手作業レベルでは到底不可能なことであり、かと言って、それらを自動的に処理させるには、システムのプログラムレベルで改造を加える必要がある訳で、そこにはやはりお金が掛かる話になるのです。

さて、
私たちが登録者である皆さんからお金を払っていただいていないことは、当然ご承知のことと思います。
だとしたら、皆さんの要望に添えるべく掛かるお金は、いったいどこから出すべきでしょうか?
堂々巡りの話をするつもりはありませんので、私として結論を申し上げます。
「無料」というレベルで行っている現状では、「この情報は欲しいが、あの情報は要らない」といった登録者個々の要望には応える術がないのです。

ただし、要望に応えないのは決して「お金がないから」という理由だけではない。
不審者情報、気象警報、火災情報、それら全てを受信してもらうことは、いざという時のことを想定してのことであって、、、その意図があるからこそ、敢えてご要望の「配信仕分け」に取り組もうと思っていないのです。

この点にどうしても納得ができないという方は、残念ですが、退会していただく以外に方法はありません。
こんな言い方しかできなくて、誠に心苦しいですが、どうかご理解賜りたくお願い申し上げます。

ただ、登録者の数が数ですから、中には特別の事情があって、どうしても受信する情報を制限したいと考えておられる方がいない訳ではないと思います。
それらの方々に「我慢してください」「協力してください」の一辺倒では…努力が足りないと言われかねません。

そこで、私たちは私たちなりの方法で、お金を作る努力を始めました。
日々の活動にはお金が掛かります。ましてやシステムを改造するとなればなおさらです。
そのお金を集めるについて、皆さんから利用料を一律にお支払いいただくという方法にご理解がいただけないのならば、それとは違う何か別の方法でお金を作る努力するしか仕方がない。
そう考えて、「サポート企業広告」の企画を打ち出しています。

お金が集まれば、システムを改造することもできるでしょう。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://jmjp.jp/mt/mt-tb-jmjp.cgi/1144

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

※名前、メールアドレスは必須項目です。

災害時要援護者支援システムのご案内 学校ホームページの運営・支援のご案内

上記リンクをクリックした先で買い物をしていただくと当NPOに数%の手数料が入り、団体の活動費として活用されます。是非ともご協力ください。

About

2008年09月04日 05:30に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「車道の自転車」です。

次の投稿は「防災安全大学(8.29)前半」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.35