ペットボトルを水筒代わりに再利用してはいけない?夏に注意したい食品衛生管理
暑さも本格化してきて、水分補給が欠かせない季節になってきました。外出先でペットボトルを購入する機会も多いのではないでしょうか。フタができるので飲みかけをとっておくのに便利なペットボトルですが、開封後どれくらいで飲んでいますか?また、水筒代わりにして長期間使いまわしたりしていませんか?
また、夏場は食材も傷みやすく食中毒発生件数が増えてくる時期。家庭での食品衛生管理対策はどのように実践されていますか?便利なペットボトルとの付き合い方、家庭における食品衛生管理のポイントを紹介していきましょう。
◆「口を付けて」飲んでいることを意識しておこう
健康な人の口の中にも700種類ともいわれる多数の常在菌が存在するといわれています。そのため口を付けて飲まれたペットボトル内には、口の中や空気中から入った雑菌が増殖します。
ペットボトルのラベルにも、「開封後は、冷蔵庫で保管し、茶系飲料は2〜3日、野菜飲料は3〜4日を目安にお飲み切りください。口を付けて飲まれる場合は、その日のうちにお飲み切りください」などという注意書きがあります。
気温や湿度が高い夏場は、口を付けて飲んだ場合はなるべく早く飲みきりましょう。また、飲みきるまでに時間がかかりそうな場合は、その都度コップにあけて飲むようにするといいですね。飲みかけをそのまま放置して、翌日また飲んでしまうようなことは避けましょう。
◆ペットボトルを再利用して持ち歩いたりしていませんか?
中身が空になったペットボトルを、そのまま再利用して水筒代わりに持ち歩くことは、雑菌が繁殖することがありますのでやめましょう。
持ち運ぶ場合は、できればカップ付きの、保温・保冷ができるステンレスボトルがおすすめです。それも、水筒本体、カップ、内側キャップの溝まで消毒できる、丸洗い可能なタイプの水筒がおすすめです。洗浄、消毒した後は、自然乾燥させておきましょう。
◆家庭で気をつけたいこととは?
夏期に頻発する傾向にある食中毒。家庭内での食品衛生管理も、今一度見直しておきたいですね。まずは食事作りの際のチェックから!食中毒予防のポイントは以下の6つです。
(1)食品の購入
・肉、魚、野菜などの生鮮食品は新鮮な物を購入しましょう。
・肉汁や魚などは、水分がもれないようにビニール袋などにそれぞれ分けて包み持ち帰りましょう。
(2)家庭での保存
・冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意しましょう(目安は7割程度)。
・生の食品と加熱済みの食品とが接触しないように保存しましょう。
(3)下準備
・食品を取り扱う前、調理中には小まめに手を洗いましょう(とくに生の肉、魚、卵を取り扱った後)。
・食器や調理器具の洗浄と消毒はしてありますか? 包丁、食器、まな板などは、洗った後、熱湯をかけたりすると消毒効果があります。
(4)調理
・加熱調理が必要な食品は十分に火を通しましょう(目安は、中心部の温度が75℃で1分間以上)。
(5)食事
・温かく食べる料理は常に温かく、冷やして食べる料理は常に冷たくしておきましょう(目安は、温かい料理は65℃以上、冷やして食べる料理は10℃以下)。
・調理前の食品や調理後の食品は、室温に長く放置してはいけません(例えば、腸管出血性大腸菌のひとつ、O157などは、室温でも15〜20分で2倍に増えます)。
(6)残った食品
・残った食品は早く冷えるように浅い容器に小分けして保存しましょう。
・保存後はなるべく早く食べるようにし、少しでも怪しいと思ったら思い切って捨てましょう。
●執筆者プロフィール:田口絢子(たぐち・あやこ)
茨城県生まれ。管理栄養士、糖尿病療養指導士、ソーシャルスキル協会認定健康栄養カウンセラー。都内4か所の病院で給食・栄養管理経験を経て独立。栄養相談、献立作成、食と健康に関する記事の執筆、栄養学翻訳などを行っています。
http://news.goo.ne.jp/article/mocosuku/life/mocosuku-20150611165942460.html