韓国ソウルで10日から開催されていた、視覚障害者スポーツの世界大会、「ソウル2015 IBSAワールドゲームズ」が17日、全日程を終えて閉幕した。大会では全9競技(陸上競技、チェス、サッカー、ゴールボール、柔道、パワーリフティング、ショーダウン、競泳、テンピンボウリング)が実施され、日本からは選手・ガイドら約90選手が6競技に出場した。日本選手の主な戦績は以下の通り。
■陸上競技
男子14選手、女子5選手が出場し、全9個(銀6、銅3)のメダルを獲得した。最終日の男子800mT13クラス(弱視)で17歳の安西飛呂が、順位は5位ながら1分59秒44をマークして日本新記録を樹立した。日本の視覚障害選手が800mで2分を切ったのは史上初の快挙。
▼安西飛呂選手のコメント
「気持ちいいです。ついに800mで日本記録を出せました。初の1分台です。順位的には5位で、トップは世界レベルで速いですが、僕はこれからまだ先がある。地道にやっていけば、届くと思います」
▼近藤克之監督の総括
「日本記録も自己ベストも出て、日を追うごとに各選手が一致団結していった結果だ。特に安西選手の日本新は日本人視覚障害者が800mで初めて2分を切ったという意味で価値ある記録。ベテラン勢のがんばりもあった」
■サッカー
・B1クラス(全盲)
予選リーグは2勝1敗1分けで5位決定戦に回り、トルコに1-0で勝利し、9チーム中5位となった。9月にリオデジャネイロ・パラリンピック・アジア予選(東京開催予定)を控えているが、ライバル国となる中国とは2-2の引き分け、韓国には2-0で勝利した。金メダルはアルゼンチン、銀はイギリス、銅はスペイン。
・B2/B3クラス(弱視/ロービジョンフットサル)
予選を1勝3敗で3位決定戦に回り、1-2でイタリアに敗れ、4位だった。同クラスはパラリンピック競技ではないためIBSA大会数少ない国際大会の機会となる。日本代表は3度目の出場となる今大会で、予選の韓国戦を3-1で勝利し、国際大会としてはチーム史上初となる1勝を挙げた。金メダルはウクライナ、銀はスペイン、銅はイタリア。
■ゴールボール
・男子:予選リーグ4勝2敗1分けの3位で決勝トーナメントに進出したが、初戦のトルコ戦に5-6で敗れた。金メダルはリトアニア、銀は中国、銅はスウェーデン。
・女子:予選リーグ3勝3敗1分けの4位で決勝トーナメントに進出したが、トーナメント初戦で中国に0-1で敗れた。金メダルはイスラエル、銀は中国、銅はカナダ。
■柔道
個人戦男子60kg級で平井孝明が銀メダル、廣瀬誠が銅メダルを獲得した。
■パワーリフティング
男子67.5kg級BPで、大谷重司が銅メダルを獲得した。
■テンピンボウリンク
パラリンピック競技ではないテンピンボウリングにとって、今大会は数少ない国際大会となる。今大会では日本代表は計11個(金4、銀5、銅2)のメダルを獲得する活躍を見せた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150518-00010000-kanpara-spo