日本理学療法士協会(半田一登会長)は、介護予防や地域包括ケアに関する国民の意識調査を行い、9日に結果を公表した。「地域包括ケアシステム」について知っているかどうかを尋ねたところ、「知っている」と回答したのは全体の23.8%で、高齢者に十分認知されていない実情が浮き彫りになった=グラフ=。【大戸豊】
調査は2014年度の老人保健健康増進等事業として行われた。対象は要介護認定率の低い10都市(平均要介護認定率14.1%)と認定率の高い10都市(同19.3%)の高齢者。20都市合計で3700人にアンケートを行い、1318人が回答した(有効回答率35.6%)。調査期間は14年12月1-26日。
アンケート結果から、社会的な生活の広がりを見るライフスペースアセスメント※1について解析したところ、要介護認定率が低い都市の高齢者(低認定率群)では78.1±22.7点、認定率が高い都市の高齢者(高認定率群)では71.2±22.8点となり、低認定率群が有意に高い値を示した。
また、社会的なつながりの大きさを、親戚や友人のつながりを基に表すLubbenの社会的ネットワーク※2(30点満点)について解析した結果、低認定率群では16.6±6.4点、高認定率群では15.7±6.3点と、低認定率群が有意に高い値を示した。
同協会では、要介護認定率が低い都市に住む高齢者は生活の活動範囲が広く、社会的なつながりが強いとみている。
※1 生活空間の側面から生活の広がりを見る指標で、得点が高いほど生活の広がりが大きいと判断される
※2 親戚や友人とのつながりを基に表す指標で、得点が高いほど社会的なつながりが大きいと判断される
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150409-00000003-cbn-soci