首相は演説で、成長戦略の実現に向けた「改革断行」の一つに「患者本位の医療改革」を挙げた。保険診療と保険外の自由診療を併用する「混合診療」を拡大し、難病患者の申し出に基づく新制度(平成28年度から実施)を踏まえたもので、日本で世界最先端の医療を受けられるようになる。
社会保障充実策としては、首相肝いりの難病患者への医療費助成拡大や認知症対策の推進も強調。保育士の処遇改善を柱とする「子ども・子育て支援新制度」を4月から実施し、「待機児童ゼロの実現に全力投球する」と約束した。
今後の日本は、高齢者の急増と社会保障費を負担する現役世代の先細りに、財政難が加わる「三重苦」に直面する。首相は充実策を列挙する一方で、社会保障制度を維持するため、「痛み」を伴う改革をどう進めるかについては、「増え続ける介護費用を抑制する」などと述べるにとどめた。
一方、労働分野は改革断行に向けた「攻めの姿勢」を鮮明にした。時間ではなく成果で評価する制度の導入や、フレックスタイム制度の拡充を力説。「労働時間に画一的な枠をはめる従来の労働制度を改めなければいけない」と訴えた。
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