しまったまま忘れがちな備蓄食料の賞味期限。そこで最近は、日常で消費しながら買い足せるものが増えています。きょうは阪神大震災の発生から20年。自宅の備蓄を見直すいい機会かも知れません。
備蓄食料は、大災害のたびに進化している。2011年3月の東日本大震災後も、被災地の声から色んな改善が進んだ。
たとえば避難所で人気があるレトルトカレーは、常温では食べにくい難点があった。ハウス食品が11年夏に発売した「温めずにおいしいカレー」は、「冷たいままでも食べられたら」という意見から急いで開発した。植物油脂をつかうことで油が固まらない。スーパーでも売っていて、賞味期間は3年。普段はお弁当やアウトドアで食べ、災害時は非常食にもなる。
江崎グリコも同様のカレーを販売するほか、定番の「ビスコ」で5年もつ「保存缶」を07年に出した。東日本大震災後の13年には「省スペースで蓄えやすいものを」という要望から、パック詰めで容量が半分になった企業や団体向けの「保存用ビスコ〈コンパクトタイプ〉」も加えた。
国の防災基本計画は家庭に置くべき備蓄食料を「3日分」とするが、東日本大震災後につくった南海トラフ、首都直下の大地震対策は「最低3日、推奨1週間分」にした。ただ、コメ、乾パンが定番だった時代より種類は増え、避難が長引いても飽きにくくなっている。阪神大震災の教訓を伝える「人と防災未来センター」(神戸市)の河田恵昭(よしあき)センター長は「暮らしに備蓄を組み込む工夫を、普段から心がけて」とアドバイスする。
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■売れ筋ランキング(2014年)
(1)尾西食品「アルファ米12種セット」(防災館)=3579円
(2)パン・アキモト「パンの缶詰全種類」(ナジャ工房)=5708円
(3)井村屋「えいようかん 5本入り」(防災館)=410円
(4)三立製菓「缶入カンパン」(防災館)=216円
(5)ボローニャ「パンの缶詰 12缶セット」(らいぷら)=4795円
(6)天狗缶詰「こてんぐおでん缶 長期保存」(防災館)=378円
(7)サタケ「マジックライス・パスタ 9食セット」(あんしんライフ)=2980円
(8)江崎グリコ「ビスコ保存缶」(防災館)=410円
(9)ハウス食品「温めずにおいしい野菜カレー」(防災館)=194円
(10)江差福祉会「災害備蓄用パン オレンジ」(防災館)=367円
注:楽天調べ、重複など除く。丸かっこ内はウェブ店名で、防災館は「あんしんの殿堂防災館」。価格(税込み)は8日時点
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