子育て中のみなさんは、子どもの幸せを願い、“豊かな表現力”を身につけて欲しいと思っていることでしょう。ところが、知らず知らずにやってしまいがちな“親としてのちょっとした行動”が、子どもの表現力が伸びない要因になってしまうとしたら……どうでしょう?
表現力に乏しいまま育ってしまうと、人生において何事もうまくいきにくくなってしまいます。もし親としてこのNG行為を普段からやっていたとしたら、それは注意が必要ですよ!
そこで今回は、東京大学名誉教授・工学博士、元ハーバード大学大学院准教授・併任教授の柳沢幸雄さんの著書『ほめ力』などを参考に、子どもの表現力が伸びない親のNG行動についてご紹介します。
■ついやってしまいがち! 子どものために“先回り”
そのNG行動とは、ずばり“先回り”です。
幼稚園に入る頃になれば、意思疎通ができ、自由にアチコチ動けるようになって、親は子どもが「いま何をしているか」と心配になってしまいますよね。また、子どもに失敗をさせないようにと、周囲の大人が先回りしてイロイロやってあげることもあるのではないでしょうか?
ところが、かえってその行動が、“子どもの表現力を奪う行為”であると、柳沢さんは著書の中で述べています。
<(略)子どもが成長してくると、子どもが○○したいと言う前に、親が先回りして、何でもやってしまうことがあります。すると子どもは、感情を表現する必要がなくなってしまいます。>
ケガや事故など命に関わる大きなリスクは取り除いてあげるべきですが、ちょっとした事柄であれば、親が気を回してやり過ぎないようにしたいものですね。
■“先回り”がいけない理由
ところで、なぜ親が先回りしてやっていると、子どもの表現力が育たないのでしょうか?
<いろいろなことを先回りしてやっていると、自分の希望を言葉で伝える訓練ができません。それでは、子どもの「ものごとを表現する力」が育ってこないのです。>
表現力に乏しいまま大人になってしまうと、感情を言葉で表現するのが難しかったり、自分の意見を上手に相手に伝えられなかったりなど、弊害が大きいですよね。結果として、コミュニケーションや人間関係、就職などにおいて悩みがちになってしまうことも考えられます。
■子どもに表現力を身につけさせるには?
では、子どもに表現力を身につけさせるにはどうしたら良いのでしょうか? 『WooRis』の過去記事「子どもの“感情表現力”を育てるたった1つの方法」によると、“どんな感情も否定せずに受け止める”ことや、“きちんと言葉で代弁してあげる”ことが大切だと、元小学校教師で子育てコーチングの和久田ミカさんは述べています。
これについても、子どもの感情を「きっとこうなのね」と決めつけたり、先回りしたりせずに、ただ“受け止める”ことを意識したいところですよね。
以上、子どもの表現力が伸びない親のNG行動をご紹介しましたが、いかがでしたか?
子どものためと思ってやっていたことが、かえって子どもの表現力が伸びない要因になっていたとしたら、本末転倒になっちゃいますよね! 子どもの頃から表現力をぐんぐん育てるためにも、親がアレコレ手を尽くし過ぎないようにしましょう。ご参考にしてみてください。
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