不正出欠、月経過多、生理痛のこんな症状は要注意!
生理に伴う体調の変化もそうですが、生理の時の出血量なども、他の人と比べることもできませんので、自分自身が一般的にみてどうなのか、というのも非常に分かりにくいかもしれません。
しかし、次のような症状がある場合は、何かしらの婦人科の病気が隠れている可能性があります。
ここでは生理の症状から婦人科の病気の可能性についてご紹介します。
◆月経過多
生理の時の出血量が、一般的よりも多い場合を月経過多といいます。他人と比べることができないので自分の判断では難しいですが、
例えば
・生理用品を1~2時間程度で交換しないと漏れる
・生理の出血が気になって外出できない
・多い日は特に寝具を汚しそうで熟睡できない
という場合は“出血量が多い”と考えて良いでしょう。また普段から貧血気味な場合も、月経過多によるものかもしれません。
月経過多を起こす原因はいくつかありますが、最も多いといわれるのは子宮筋腫です。また、子宮の内膜に似た組織が子宮の筋肉内で増殖する子宮腺筋症、子宮の内側にできる子宮内膜ポリープなどがあります。
◆ひどい生理痛
子宮は普段から一定の周期で収縮します。排卵が起こると精子が卵管まで到達しやすいように上向きに収縮します。生理が始まる頃からは月経血を押し出そうとして下向きに収縮します。
これらは日常的に起こっていますので、正常な範囲であれば特に痛みとして感じることはありません。しかし生理のたびに鎮痛剤が手放せない、会社や学校へ行くことが難しいような場合は、やはり異常な収縮が起こっていると考えられます。
生理痛がひどくなる原因にはいくつかありますが、代表的なものは子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫などです。
◆不正出血
子宮(膣)からの出血が生理の時以外で起こることを不正出血といいます。不正出血が続くとやがて貧血となりますし、不正出血の陰には様々な婦人科の病気が隠れています。
・生理がある年代の不正出血:
悪性なものとしては子宮頸がん、子宮体がん、卵管がんなどがあります。良性なものとしては子宮筋腫、子宮内のポリープ、子宮頸管炎などがありますが、これらの病気が無くても不正出血を起こす場合を機能性子宮出血といいます。
・閉経後の不正出血:
閉経後の子宮からは出血は起こりません。しかし子宮頸がん、子宮体がん、子宮内のポリープ、子宮肉腫、卵巣腫瘍などがあると不正出血を起こします。
・性交との関連:
性交後に出血がある場合は、子宮頸がんや子宮内のポリープが考えられます。
・その他:
他にも妊娠に関係するものとして、子宮外妊娠、流産、胞状奇胎など、妊娠が継続できない状態もあります。排卵の時に出血すること(排卵時の不正出血)もあり、自己判断では区別がつきませんので注意しましょう。
◆おりものの変化
おりものは生理周期によっても変わりますが、色が変わったり量が急に増えた場合などは、何らかの原因で膣に炎症が起きている可能性があります。また悪臭を伴うような場合は、子宮頸がんや子宮体がんの可能性が高くなります。
◆腹痛・腰痛
腹痛や腰痛も婦人科の病気のサインであることがあります。・慢性的な痛み:子宮筋腫、卵巣腫瘍、子宮頸がんや子宮体がんなどが原因となります。また子宮内膜症が進行し、骨盤内の臓器が癒着(臓器同士がくっ付いてしまうこと)している場合も、慢性的な痛みがあります。・急性的な痛み:特に急激で強い痛みがある場合は、卵巣の頸捻転(卵巣の根元が捻じれること)、卵巣のう腫破裂、子宮外妊娠による卵管破裂など、緊急手術が必要となることが少なくありません。・排便時や性交時の痛み:排便や性交により腹痛や腰痛がある場合は、進行した子宮内膜症による臓器の癒着かもしれません。特にお腹の中が引っ張られるような痛みや、肛門の奥の方が痛む場合は要注意です。
このように、様々な婦人科の病気により、多くの症状が見られることがあります。中には命に関わるものもありますので、何らかの症状がある場合は、自己判断せずに婦人科を受診しましょう。
(監修:有秋台医院 副院長 医学博士 鶴岡信栄先生)
http://news.goo.ne.jp/article/mocosuku/life/mocosuku-20141117193513479.html
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