熊本市が募集する身体障害者対象の職員採用試験で、全盲の男子大学生(21)が受験を申し込んだのに対し、市は18日、これまで通り全盲の人の受験を認め ない方針を決めた。市人事課は「(点字受験に対応しない)要項を途中で変更するのは困難」とした上で、来年度以降に見直しを検討する考えを示した。
総務省公務員課によると、全国20政令市のうち、熊本市だけが身障者対象の職員採用試験で点字問題を用意していない。残る19市は全盲者の点字受験を認めている。
市人事課は同日、現行の門前払いについては「問題がある」と認め、来年度以降の対応について「全盲の人を採用した場合、どんな職場に配置し、どんな仕事ができるか可能性を検討する」とした。
11月の試験をめぐっては、全盲の男子大学生が点字か口頭での受験を希望。9月12日、東区役所窓口で「受験の対象外」と断られたが、17日に申込書を提出していた。
受験が認められないことについて、男性は「今年は難しいと思っていたが、希望を持っていたので、やはり残念。今後どうするか考えたい」と話した。
熊本市は1998年度、身障者の雇用促進のため一般とは別枠で採用を始めたが、全盲の人については「文書の処理が中心となる業務の遂行は難しい」として 対象から除外している。試験を受け持つ人事委員会は、受験資格を「活字印刷文の出題に対応可能」と規定してきた。(中村勝洋)
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