厚生労働省は8月27日、7年ぶりに社会保障審議会福祉部会(部会長=田中滋・慶応義塾大名誉 教授)を開いた。社会福祉法人制度と福祉人材確保策を一体的に議論し、年内に結論を出す。2015年の通常国会に関連法の改正案を提出する。社会福祉法人 による社会貢献をどのように義務付けるかが焦点。所管する地方自治体の力量も問われそうだ。
会議の冒頭で鈴木俊彦・厚労省社会・援護局長は「社会福祉法人が社会の要請にしっかり応えられる制度の枠組みを作ることが重要だ」とし、具体的にはガバナンス(統治)の強化、透明性の確保などを挙げた。
政府税制調査会が論点に挙げた社会福祉法人への課税問題は真正面からは議論せず、「法人がいかに本来の機能を果たすか」という視点で議論する。
社会福祉法人をめぐっては、優遇税制に見合う社会貢献を行うよう政府の社会保障制度改革国民会議、規制改革会議から求められた。厚労省は社会貢献を義務付ける方針で、今年7月に検討会の報告書をまとめた。
人材確保についても今年6月からの検討会で介護福祉士の資格取得方法などを集中的に議論し、一定の整理が済んでいる。
いずれも論点はほぼ出そろっているが、同部会にはこれまでの検討会で委員に入っていない全国知事会、全国市長会、障害・児童養護・保育の事業者団体、日本社会福祉士会、日本商工会議所の代表が加わった。
そのため、法人の指導監督の在り方や、介護分野以外の法人・人材の問題が具体的に議論される。
同日は知事会、市長会の委員から「本部機能が体をなしていない法人が多い。経営者をいかに育成するかが重要だ」「すべての法人を指導するのは難しい。広域で対応する仕組みが必要だ」といった声が上がった。
社会貢献をどう定義し、その実施状況をチェックするかは地方自治体の事務とも関係するだけに、議論の行方が注目される。
児童福祉分野の委員からは保育士不足への対応を求める意見や、社会的養護の公益性に着目するよう求める意見が上がった。
同部会が開かれるのは、07年7月に福祉人材確保指針の改訂を審議して以来。厚労省は今回の部会でも議論し、改訂する。10月にも専門委員会を部会の下に設ける。
社会福祉法人制度については04年12月に同部会が意見書をまとめ、退職手当共済制度への公費助成廃止(介護保険施設・事業所)を打ち出した。