不足しがちな「カルシウム」。しかし、簡単にその不足分が補えてしまう方法があった!骨粗しょう症の治療では、新しい薬が登場!選択の幅が広がっている。
1.骨粗しょう症の食事
骨粗しょう症と診断された人は、薬で骨密度を維持するとともに、食事や運動で骨や筋肉を強くして、転倒や骨折を予防することが大切です。今はだいじょうぶという人も、食事や運動に気を配り、骨粗しょう症の予防をしましょう。
毎日の食事で十分にとりたいのがカルシウムです。日本人は男女ともに、どの年代でも、厚生労働省が推奨するカルシウムの1日の推奨摂取量を満たしていません。50歳代の女性の場合、推奨量は約650mgですが、実際に摂取しているのは500 程度です。通常の食事にカルシウムを多く含む食品を加え、不足分を補いましょう。例えば、カルシウム200 がとれる食品の目安量は、牛乳180mL、ヨーグルト160g、木綿豆腐1/2丁、ゆでた小松菜130g、プロセスチーズ30g、煮干し10gなどです。カルシウムだけでなく、カルシウムの吸収を助けるビタミンDや、骨を作る働きを促すビタミンKも、不足しないように摂取しましょう。
2.骨粗しょう症の薬
骨粗しょう症では、「大たい骨付け根・背骨のぜい弱性骨折がある場合」「骨密度が若年成人の平均値の70%未満の場合、または70%以上80%未満で骨折の危険性が高いと判断された場合」などが、薬物療法の対象になります。
薬物療法の中心となるのは「骨を壊す働きを抑える薬」です。ビスホスホネート薬が一般的ですが、2013年6月からはデノスマブという注射薬も使用され始めました。投与は半年に1回で、ビタミンD3薬やカルシウム薬を毎日必ず服用する必要があります。また、50~60歳代の比較的若い世代の女性には、女性ホルモンのエストロゲンと似た作用を持つSERM(サーム)を用いる場合もあります。ほかには、「骨をつくる働きを助ける薬」として副甲状腺ホルモン薬、「骨代謝のバランスを整える薬」として活性型ビタミンD3薬などが用いられます。
☆ ビタミンD、ビタミンKを含む食品や薬物療法の詳細については、
きょうの健康テキスト 8月号に詳しく掲載されています。
NHK「きょうの健康」2014年8月19日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20140819-h-001.html