スマホの普及によって、より簡単に早く、“正解”が得られる時代になってきました。何か分からないこと、知らないことがあっても、ネットで検索すれば、す ぐに答えが見つかります。そんなことが当たり前になってきている現在、“子育て”についても、分からないことがあればすぐに検索に頼ってしまうママが増え ています。
しかし、検索したからといって必ずしも正解にたどり着けるわけではないのが“子育て”。むしろ、子育てにおいては、万人に共通する正解がないので、答えが 見つからないほうが多いでしょう。そもそも“子育てには正解はない”のですが、存在しない正解を求めるママが増えているといいます。
そこで今回は、月刊『赤ちゃんとママ』8月号所収の、白梅学園大学学長の汐見稔幸さんの記事を参考に、子育てをスマホに頼りがちなママがハマる落とし穴について、ご紹介します。
■祖母や母から子育てについて教えてもらう機会が少なくなっている
<最近の若い母親は、スマホなどで育児情報を楽に、気軽に手に入れるようになっている。うんちや夜泣きなど、自分の知りたい事柄のキーワードを入力し検索すれば、同じような悩みについて書きこまれたページがすぐに読める。>
核家族化、地域コミュニティの消失などによって、祖母から母、母から子へと伝わっていた子育ての情報が消えてしまいました。それを埋めるかのように、ネットで得られる情報を活用しようとしているわけです。
そのこと自体は決して悪いことではありません。しかし、汐見さんは現状のこうした状況に警鐘をならしています。
■育児に“正解”を求めすぎている
<育児は『正解』の世界となじまない。正しい育児と間違った育児があるのではない。もちろん大事な原則はあり、それは知ってほしいし学んでほしいけれど、これが『正解』の育て方で、そうすれば必ず『よい子』が育つというような方法はなく、もしあったら困る。>
原則はあれど、それ以上の細かいところは、やっぱり子どもに応じて、文字通り千差万別。子どもの数だけ育児方法がある、といったところでしょうか。
しかし、最近のママはあまりにも、正解を求めすぎているというのです。
■その子の個性にあった育て方はネットで探せるものではない
<ちょっとやりすぎたかなと思えば、修正すればいい。ああしてやろう、これがいいかなと子どもの反応を見て、少しずつ少しずつその子の個性にあった育て方を見つければ、それでいい。
子どもにはその子らしく育つ力がひそんでいる。それを見つけ、発酵させるために、子どもといっしょに歩む試行錯誤の旅のようなものが育児なのだ。>
現在は、どういった分野であれ、正解を求める意識が強くなっていて、子育ても例外ではないでしょう。しかし、子育ては本来、その子どもの育つ力を引き出すためのものなので、ネットで探せるような正解は存在しないのですね。
以上、子育てをスマホに頼りがちなママがハマる落とし穴についてご紹介しましたが、いかがでしたか? つい正しい情報を求めてしまうママの気持ちも分かりますが、ここは子どもと一緒に試行錯誤しながら取り組んでいきましょう。
決して、ネットでは探せない、あなただけのオリジナルの育児方法が見つかるはずです。
http://news.ameba.jp/20140904-659/