中学生のアヤ(仮名)が「ママ、練習に行って欲しい? でも、行けない」と泣きじゃくったのは、昨夏のことだった。玄関を出ようとすると過呼吸になり、食べたものを吐いてしまった。
特集:子どもとスポーツ
東京都のクラブチームで新体操をしていたアヤは深く傷ついていた。前日、足のけがでドクターストップがかかり、次の大会に出られないことを指導者に伝えると、けがしたこと自体をとがめられ、一緒にいた母親もののしられた。
その前日には、指導者がチームメートを「あなたのミスで全国大会に行けなかった」と罵倒していた。その指導者はもともと保護者たちがいない場で は、日常的にミスした子どもを平手打ちや足蹴にしていたが、アヤはこの日を境に、精いっぱいやったことが全く認められないことに悔しさと違和感を覚え始め ていた。
4歳からやってきた新体操は好きだった。クラブ側からは盛んに練習に来るよう連絡があり、何とか通った。だが、指導者の暴言は度重なった。「放課後に練習に行かなければ」と思うと、腹痛とめまいで学校でも保健室で横になるようになった。
家庭から笑いが消えた。ある日、母親は「死んだ方がましかも」というメールを受けた。元気な姿をみるまでの一日がどれだけ長かったか。だが、母親 も新体操をやめさせる、またはチームを移るという選択ができなかった。アヤがクラブから期待されているのがわかる。自分が学生時代に一つのスポーツを全う した経験も、やめることを積極的に勧められない要因になった。
アヤが拒否感を訴え始めて数カ月。長期出張から帰った父親が「この子が壊れてしまう。おまえも壊れている。自分が『やめさせてくれ』と言いに行く ぞ」と母親に告げた。なかなか「うん」と言えなかったアヤも、練習場の前に止めた車の中で、ようやく「わかった」とうなずいた。
「もしかしたら日本代表も、という期待が捨てられなかった。冷静に考えれば、プロ野球選手だって地域から1人出るかどうかなのに」と母親は振り返る。「同じ悩みに直面している親子がいるなら、『まず笑顔なくしてスポーツはない』と伝えたい」
今、アヤは学校で球技の部活動に入り、真っ黒に日焼けして走り回っている。仲間と肩を組み、はじけた笑顔で写真に写っている。(中小路徹、後藤太輔)
■親の期待が子どもを縛る
スポーツをやめたいけど、やめられない。競技やチームを変わりたいけど、変われない。楽しいはずのスポーツで、なぜ子どもはがんじがらめになるのか。
日本スポーツ精神医学会理事を務める早大教育・総合科学学術院の堀正士教授は「近年、子どものスポーツは将来を見越した競技志向が強まり、『小さい頃から特化して始めないとダメ』という風潮が、子どもを縛る」と背景を挙げる。
「個性を重んじ、一つの才能を伸ばしてあげたいという一心で親がスポーツを勧め、子どもが従うことが多いが、『スポーツがダメなら自分には何もな い』『親に認められるには、スポーツを続けないといけない』と子どもに思わせる両刃(もろは)の刃(やいば)でもある」と言う。
精神科医として大学生アスリートを診察すると、周囲の期待を過度に解釈し、負担に感じているケースがあるという。「子どもも同じ。勝ち負けは二の次で、あなたの存在そのものが大事だと言ってあげてほしい」
http://www.asahi.com/articles/ASG8N72XDG8NUTQP03B.html
社会に何の役にも立たない強化訓練
もともと好きなものでも うんざりです。
自分の体を壊さないようにするのが精いっぱい。
くたばれ!とおもう。
早く年を取ってやらなくてもいいようになりたいと切に願う。
やらないやつはいつも逃げる。ずるい。みんな平等じゃない。逃げる奴。きたないやつ。ふざけるな。
匿名
2015年8月1日 3:13 AM