Inc.:これまでたくさんの職場での政治的なやり取りについての記事を書いてきましたが、今回書こうとしている秘訣だけは、世に出さずに自分だけのものとして大切にしてきました。
この秘訣はあらゆる職場において、競合する「政敵」に勝てる技です。準備はいいですか? それでは、はじめましょう。
その技とは、「いつも質問を持っておく」ことです
会社の決定に影響力を発揮しようとするとき、ほとんどの政敵は決定すべき方向が自分の考え方に則したものになるための理由付けに力を注ぎます(そして、あなたの考え方にならないようにします)。そのために脚注、事実、参考資料などを用意して足固めに入ります。
しかし、質問を所有することで、そういった労力をかけなくても政敵に勝つことができます。
すべての決定は、ある一つの問いに対する一つの答えになっているのです。どうやって修復するか? どこで購入するべきか? どうやって販売すべきか? 誰が最もふさわしい販売者か? すべての事例において、質問は回答の範囲を制限するのです。質問を変えてみてください、そうすると、その答えの中に潜む限界が取り払われます。
たとえば、社長がスタッフミーティングで、重要顧客を失ったことについての話し合いを始めたら…
技術担当役員は、その顧客を失ったのは営業部門が間違いを犯し、マーケティング部門の販売手法が良くなかったという理由を並べ立てます。両部門長は、社長との会議において、責任追及の矛先を替える体勢にはいります。そこに営業担当役員が会議室に入り、着席し、こう言うのです。「私たちが本当に答えを出さなければならないのは、どうやってその顧客に戻ってきてもらうかではないのですか?」
ビンゴ! 慎重に計画された罪の押しつけあいは、一撃で葬られました。営業担当役員は答えを出すのではなく、新たな質問をしたのです。「質問すること」の本当の力は、その質問がほかの人に投げかけられる前に、質問をしてしまうところにあります。ぜひ実行してみてください。そうすればほとんどの場合、決定はあなたが用意したプラン通りに進みます。
たとえば、営業担当役員がチーム全員に会社からiPadを支給するべきだと考えているとしたら…
そこで役員は、財務担当役員に質問します。「iPadを50台購入する予算はありますか」。答えは「ノー」でした。それでは、営業担当役員はそこで予算の優先順位について議論を始めることしかできません。
しかし、営業担当役員がこんな質問をしていたらどうでしょう。「2万5千ドルの機材購入を正当化するためには、その投資に対してどの程度の売り上げが見込めればいいですか?」。そうすれば財務担当役員はきっとこういう回答をするでしょう。「初年度で5万ドル程度でしょう」
そこで営業担当役員がしなければならないのは、営業担当者にiPadを支給することで、年間あたり5万ドルの売り上げ増加になることを証明するだけでいいのです。質問をするだけで、ゴールに一歩近づくことができるのです。
今回挙げた2つの例は、うまく行き過ぎかもしれませんね。しかし、私が言いたかったことは、実際にやってみさえすれば、会社での政治的な動きなど、それほど複雑なものではなくなるということです。決定というのは、ほとんどすべての場合において、質問された範囲の中で決められるのです。質問をしさえすれば、決定はあなたの手の中にあります。ただそれだけ、シンプルですね。
The Secret to Winning at Work | Inc.com
Geoffrey James(訳:Conyac)
Photo by Thinkstock/Getty Images.
http://news.goo.ne.jp/article/lifehacker/life/lifehacker_40075.html