オフィスワーカーの3人に1人が、患っているというドライアイ。目が乾く、涙が多くなった、目がゴロゴロするといった症状があったら、ドライアイかもしれません。
日本眼科医会が、パソコン端末作業者1,025人を対象にした調査によると、パソコンなどを常時利用するオフィスワーカーのなんと75%に、ドライアイの可能性があるとしています。
まさに現代の国民病ともされるドライアイは、一度なってしまうと完治が難しく、目の病気や老化を早めてしまう恐れがあります。
そこで今回は、眼科医の服部匡志先生の著書『老ける老けないは目で決まる!』から、ドライアイにならないためのポイントを紹介していきましょう。
1:ディスプレイは必ず見下ろす
服部先生曰く、「ドライアイは、現役世代にとっては他人事ではない、非常に身近な病気だと言えます。ドライアイは、老化現象のひとつとしても引き起こされ、高齢者における有病率もかなり高いのです。また男性よりも女性の方がなりやすいことも、特徴のひとつです」と話します。
オフィスでできる簡単な予防法としては、まず、パソコンのディスプレイを見下ろした状態で作業すること。ディスプレイを見上げている時には、上瞼が通常よりも大きく開かれています。そのため涙が蒸発しやすく、角膜上にドライアイスポットができやすいのです。
また、ゲームを長時間したり、暗い場所で明るい画面を見続けのはNG。パソコンやスマホ自体の使用を減らすよう意識しましょう。
2:オフィスでは湿度に注意
オフィスは一般的に、乾燥した環境にあります。個人用の加湿器を用いるなど、保湿を心がけましょう。乾燥はドライアイを招きがちです。
コップ一杯の水や濡れタオルをデスクの上に置くだけでも、周辺の湿度はかなり変わるのでおすすめです。
3:就寝前にディスプレイを見ない
日中、酷使した目の疲れは、睡眠時間中にリセットされます。ディスプレイから発せられる強い光の影響で、脳内で眠気を引き起こすメラトニンというホルモンの放出が妨げられることが、科学的にも確かめられています。
そのせいで睡眠が十分でないと、前日の疲れを翌日に持ち越してしまい、眼精疲労を助長させ、またその他の目の病気も引き起こしやすくなります。
特に就寝の30分前はテレビやPC、スマホをオフにしましょう。
4:間接照明にする
人間の網膜は、青色の感度があまりよくありません。そのためLED照明の場合、白色光であっても、実は想像よりも青色光の成分に晒されているケースが多いのです。
ただLEDやブルーライトに関しては、まだはっきりわかっていないのが現状。リスクが気になる人は、白熱灯や間接照明にするのがよいかもしれません。
5:海や川ではサングラス
欧米では、外出する際にサングラスをかけるのが一般的です。アジア人は虹彩が濃い色の場合が多いので、紫外線に対しては耐性が強いと言えますが、白目の部分や水晶体、網膜や硝子体などは、アジア人も欧米人も同じ色をしています。これらの部分まで欧米人と比べて、紫外線に強いということはありません。
炎天下で農作業を行う赤道直下のベトナムでは、紫外線で白内障になる人が多いのです。日本の太陽はそこまで厳しくありませんが、照り返しがあるとベトナムに匹敵するほどの照度になります。
サングラスなどで目を守るよう対策しましょう。
ドライアイを引き起こす目の仕組みは、まだ分かっていないことも多いのです。ただ、現代的なライフスタイルに要因があるのは確か。上記のポイントを心がけ、瞳のケアをしていきたいですね。