過度の運動は健康に害を及ぼす恐れがあると警告する2件の研究報告書が、英医学誌ハートにこのほど掲載された。
1件は、心臓病の患者1038人を対象に10年間追跡した調査結果で、毎日熱心に運動する人は、運動を週2、3回だけする人に比べ心臓発作や脳卒中で死亡する確率が2倍以上であることが分かった。全くないしほとんど運動しない人は、死亡の確率が最も高かった。
この報告書は衝撃的といえる。現在の健康ガイドラインでは、心臓病の患者は(健康人と同様に)週に5~7日間運動するよう提唱されているからだ。ただ、健康ガイドラインが1件の報告を基に変更される可能性は小さい。特にこの報告書では、どの程度運動しているかは患者の報告を基にしており、データが不確かな可能性がある。
もう1つの報告書は、持久力を高める運動は心房細動のリスクを高めるというもので、こうした結果を示す報告書はすでにたくさん発表されている。心房細動は一般的には命にかかわらない心不整脈で、脳卒中を引き起こすリスクを大幅に高める。これまでに発表された報告では、週5~7日間熱心に運動する50歳以下の男性は、心房細動のリスクが74%高まることが判明している。
http://news.goo.ne.jp/article/wsj/life/wsj-20140519002857414.html