アメリカ政府の国土安全保障省が、4月28日に「インターネット・エクスプローラーに安全上の脆弱性がある」と発表したことが、一部の日本の職場でパニックを起こしているようだ。
インターネット・エクスプローラー(IE)とは、マイクロソフト社が提供するウェブプラウザ。インターネット閲覧ソフトともいうことができ、Windows 95以降のWindows シリーズ搭載のパソコンには標準で含まれているため、多くの人がその名前すら意識せずに知らないうちに使っている。
昨今では、「Chrome」や「Firefox」といった他のブラウザを使う人が増加してはいるものの、アイルランドのアクセス解析サービス「StatCounter Global Stats」が提供する日本のブラウザシェア統計グラフによれば、2014年4月1日時点のPCにおけるIEのシェア率は52.56%と圧倒的。インターネットユーザーの半数以上が使っているということになる。
そんなIEが今回、安全上の脆弱性によりハッキングを受ける可能性があると指摘された。同省では、別のブラウザを使うといった対策を取るように警告を出しており、その対象はIEバージョン6から最新のバージョン11まで及ぶ。
しかし、インターネットについてあまり詳しくない人からすれば、「IEってそもそも何?」という疑問から入るのも珍しくはないようだ。警告が出たことを受け、日本の多くの企業でも「IE使用禁止令」がしかれたようだが、ツイッターにはそれによって起きたパニックを報告するツイートが多数並んだ。
主に上司世代や年配社員のあいだで起きたというその事例の一部は、以下の通りだ。
・IEが理解できないため、「とりあえずインターネットの利用を控えるように」という指示が出た
・「インターネットを使うと攻撃される」という噂が過信されたことで、メールの使用まで危険視されるようになった
・システムエンジニアを批判する声があがった
・IEのショートカットを使わないことは理解したものの、デスクトップ上のYahoo!のショートカットからIEを開いている人がいた
このほか、IEとYahoo!を同一視しYahoo!が危険だと誤認する人が現れたという報告や、「他のブラウザをインストールするためにIEを使わなくてはならず、混乱した」といった内容の声も見られた。
混乱は起きたものの、今回の一件は、うといながらもインターネットを楽しむ人たちに、「ブラウザ」というものが何なのかを教える絶好の機会になったのかもしれない。
http://r25.yahoo.co.jp/fushigi/jikenbo_detail/?id=20140502-00036033-r25