気持ちよくてついついはまってしまう『耳かき』。でもその正しいやり方、知っていますか。
耳かきのアンケートが2684通もよせられ、みなさん興味はつきませんが、耳かきのお悩みが。
多いようなんです。『どこまで入れていい?』『やりすぎはよくない?』『子どもには必要?』
今回皆さんのつきないお悩みを耳かき専門家たちが解決します。
間違った耳かきは病気の原因。正しい耳のかき方を伝授したり、知っておきたい耳かきスポット、そして快感を呼ぶあのフワフワぼんてんの使い方まで。
耳かきの常識を覆す、耳寄りな情報満載の耳かき術を紹介しました。
■Q1:正しい耳かきのしかた
耳かきが大好きだけどいくらかいてもまだ残っていると感じるため引っかき回してしまうというお悩みを持つ主婦の耳の中を、耳鼻科医の笠井創さんがチェック。
なんと耳あかだと思っていたのは自分の皮膚。いじりすぎてゾウの皮膚のようにゴワゴワして厚ぼったくなってしまっていたのです。
こうならないためにも、耳かきの正しいやり方は知っておきたいもの。
笠井さんによれば、耳の中の手前1センチまでをかけば効率よく耳かきができると言います。
理由はその場所にしか耳あかはできないから。
耳の中では新陳代謝により古い皮膚がはがれ、外に押し出されるしくみになっています。
そのとき、耳の入り口1センチのところにある皮脂腺から脂が出て皮膚と交わりそれが耳あかとなります。そのため、皮脂腺の場所にしか耳あかはできず、奥をかく必要がないのです。
取材協力
笠井創さん(耳鼻咽喉科 医師)
■Q2:カサカサ?ベトベト?タイプ別攻略法
耳あかのタイプはカサカサとベトベト。街頭で聞いてみると日本人はカサカサタイプが多いのですが、耳あかに詳しい専門家の北海道医療大学学長の新川詔夫さんによると、耳あかのタイプはABCC11という遺伝子の働きの差によって決まるといいます。
2006年に新川さんが行ったDNA鑑定の調査によって日本人はカサカサタイプの耳あかが77%とわかりました。
では日本人の主流タイプであるカサカサの耳あかに適した耳かきの道具は何なのでしょうか。耳鼻科医の加賀達美さんは、綿棒が最適だといいます。
理由は、カサカサの耳あかは綿棒の繊維にひっかかり皮膚を傷つけずに取れる利点があるためだといいます。耳かき棒を使うと、まだ皮膚がはがれ落ちきらないときは、力をいれざるを得なくなり、耳に傷をつけやすくなるといいます。
取材協力
新川詔夫さん(北海道医療大学 学長)
加賀達美さん(耳鼻咽喉科 医師)
■Q3:人にしてあげる耳かきの姿勢
子どもにする耳かきのしかたで悩んでいる主婦に、正しい耳かきの姿勢を伝授してくれたのは第2問でも登場した耳鼻科医の加賀達美さん。
お悩み主婦は子どもにどれくらいかいてあげればいいのか、どこまで入れたらいいのか分からずにひざまくらで耳かきをしてあげていました。
加賀さんがお悩み主婦の娘さんの耳を見てみたところ、耳のかきすぎで体液がしみ出て皮膚がはがれてしまっていました。
しかも耳あかは取り切れず残っていました。
加賀さんは早速、子どもにする耳かきの正しいやり方を教えます。
オススメの方法は座った姿勢で耳をかいてあげること。座ってやると耳の中の鼓膜を下にしないので取り損ねた耳あかが鼓膜に落ちていかないのです。
子どもへの耳かきはひざまくらが定番ですが、ひざまくらでは鼓膜が下になっていて取り損ねた耳あかが鼓膜の方にたまってしまうのです。実際お悩み主婦の娘さんも耳あかが鼓膜にあり、それが痒みにつながり何度も耳かきをせがんでいたのです。
取材協力
加賀達美さん(耳鼻咽喉科 医師)
■Q4:フワフワぼんてんの入れ方回し方!
あさイチのアンケートに答えてくれた3000人に迫る回答のうち98%が耳かきが好きだと答えていました。なぜ耳かきが好きなのかと聞いてみると、『気持ちいいから』という人が多かったんです。
ではなぜ耳かきは気持ちいいと感じるのか。耳鼻科医の笠井創さんによると、耳かきを耳の中に入れると、くすぐりポイントとも言える耳の中の神経がそれを感知し、信号を脳に送ります。すると脳からリラックス効果のあるアルファ波が出て気持ちいいと感じるのです。
そんな耳の神経を優しく刺激するのが耳かき棒の先についているフワフワ。
『ぼんてん』といいます。このぼんてんの使い方にポイントがあるんです。
教えてくれたのは理容師の木村助廣さん。この道46年の大ベテランです。
木村さんの店では耳かきサービスが評判。お客さんもそれ目当てで来店するとか。
木村さんのオススメするぼんてんの使い方は、ズバリ耳への入れ方。
耳に横から入れると毛の向きとぼんてんの回す方向があって気持ちよさを生みます。
まっすぐ入れると毛の向きは縦につぶれて入ってしまいなめらかさがでないといいます。
さらに入れ方だけでなく回し方にもオススメが。
入り口はかゆく感じるのでちょっと速めに入れ、中にはいっていくほどゆっくりゆっくり回すと耳の中で快感が倍増するといいます。
取材協力
笠井創さん(耳鼻咽喉科 医師)
木村助廣さん(理容師)
■ご紹介した情報
耳かきのやり過ぎで起こる病気
外耳道炎・・・耳かきをやりすぎると耳の穴の中、外耳道と呼ばれるところが炎症を起こしてしまう。
耳かきのやらなすぎで起こる病気
耳垢栓塞・・・鼓膜を耳あかが覆ってしまう。ひどいときには難聴になる場合も。
綿棒がベトベトの耳あかに向かない理由
耳あかを壁を塗るようにのばしてしまうだけでむしろ耳あかをひろげてしまってよくとれない。
耳かき棒ならベトベトの耳あかを角度がある先の部分で掻き込めるので向いている。
ベトベトの人は油分がカサカサより豊富なので耳の中ですべりやすくなっていて傷もつきにくい。
フワフワぼんてんの使用上の注意
耳の中はとても敏感。診察時に耳の穴の中に器具を入れただけで、けいれんをおこしたり、中には失神する人もいるほど。
ぼんてんを使うときも縦に入れると堅い先端が耳の奥をさわって炎症を起こすこともある。
ゆっくり優しくが基本。
番組およびこのページは特定の製品・店舗を推奨するものではありません。
製品・サービスの特性や使用上の制限、契約内容・条件などについては、各自におかれまして、メーカーや販売会社に十分ご確認ください。
NHK「あさイチ」2014年4月1日放送分
http://news.goo.ne.jp/article/asaichi/life/asaichi-20140401-a-001.html