スポーツ選手から一般の人たちにまで広まっているサプリメント食品。不足しがちな栄養素を手軽に摂取できるとあって、多くの人が利用している。ただし、不必要な栄養を摂取している場合や、摂取しすぎるとかえってよくないものもあるのだとか。
そんなサプリメント利用の注意点を、(独)国立健康・栄養研究所の薬学博士・千葉剛先生にお聞きした。
「食事で十分に取れない栄養素を補うのに、サプリメントは便利です。ただし、気をつけなければならないこともあります。例えば海外のサプリメントでヨウ素やセレンなどがあるのですが、日本人の場合、海藻や魚介類から日常的に摂取しているので必要ない場合がほとんどです。さらに、過剰に摂取すると甲状腺が腫れたり、甲状腺の機能が低下するなどの弊害がありますので気をつけてください。まずは、自分に不足している栄養素がなんであるか、しっかり認識してから使用するようにしましょう」(千葉先生)
最近は、亜鉛サプリメントが人気を集めているようだが、亜鉛は肉や魚に多く含まれていて、日本人の一般的な食生活であれば、すでに十分な亜鉛が摂取されているそう。また、サプリメント選びに関しては、こんな注意点も。
「いろいろな製品がありますが、なるべく国内のしっかりしたメーカーのものを利用することをお勧めします。国が推奨している「GMP」という規格あって、この認可を取っている場合は素材の仕入れから製品が出庫されるまでの品質が保障されているので、安心です。逆に『子供から妊婦、お年寄りまで誰もが安心して飲める』や『●●(病気)が治る!』といった謳い文句のある製品は避けた方がよいでしょう。明確に効果を謳っている製品は、薬事法にも違反していますしね」(千葉先生)
海外製品もその国の規格で製造されている製品がほとんどだが、やはり海外と日本人では体格や体の作りが違うので、日本人には合わないものもあるそうだ。サプリメントはなるべく国内のものを利用するのがよいだろう。ただし、あくまでも栄養補助なので、できるだけ規則正しくバランスのよい食事を心掛けて、そこで必要な栄養素を摂るのが望ましい。
今回の取材にご協力いただいた、(独)国立健康・栄養研究所では、「健康食品」の安全性・有効性情報をネットで公開中。気になる人は下記をチェックしてみよう。
「健康食品」の安全性・有効性情報
https://hfnet.nih.go.jp/
文・タカハシダイスケ
http://news.goo.ne.jp/article/freshers/bizskills/healthcare/fresherscol20140320140331140004.html