3月23日に阪神甲子園球場で開幕する第83回選抜高校野球大会に、2年ぶり4回目の出場をする日本文理。主な選手たちを紹介する。【川畑さおり】
◇1年生コンビ、憧れの舞台へ 強気のエース、小柄な二塁手
1年生エースの田村勇磨投手は、139キロの直球と切れのあるスライダーを武器に、昨秋の県大会5試合と北信越大会4試合の全てに登板。うち5試合は完投した。
「スライダーは打たれない自信がある」。公式戦9試合で奪った三振は83。「自分の投球が試合を左右するのが面白い」とプレッシャーを楽しめる強さがある。
野球を始めた小学2年以来、ほとんどを投手として活躍してきた。糸魚川中3年の時には県大会で優勝。その09年、夏の甲子園で日本文理が準優勝した試合をテレビで見て、「自分もあの舞台で投げたい」と進学を決めた。
北信越大会後は、スタミナをつけるため学校周辺での走り込みを10周から15周に増やした。課題は直球の制球力。投球の際の体重移動をスムーズにできるよう、この冬は下半身強化のトレーニングにも力を入れている。「バックを信頼して投げている。全国の舞台でも周りを気にせず、自分のピッチングをするだけ」。憧れの舞台でも強気で攻めるつもりだ。
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野口竜義(たつよし)内野手は1年生で唯一、昨夏の県大会からレギュラーだ。守備には自信があった。だが二塁手として出場した昨夏の県大会。決勝の新潟明訓戦で一塁への悪送球、併殺と満塁の場面で捕球ミスを繰り返し、まさかの3失策。入学以来、練習試合も含め失策ゼロを誇ってきたが、「自分の持ち味である守備を崩された」。自信を取り戻すべく、寮の部屋では併殺をイメージした足の運び方など、守備の際の足の動きのトレーニングを欠かさない。
栃木県出身で、中学までは投手だった。強いチームではなく、中学3年の夏の県大会では地区予選の1回戦で五回コールド負けを喫した。「親元を離れ、強い学校で甲子園を目指したい」と日本文理を選んだ。
身長は167センチとレギュラーの中で最も小柄だ。最初はハンディだと思っていたが、「小さい方が小回りが利いて連係プレーには有利。セカンドには生かされている」。甲子園では「観客がどよめくようなプレーをして、印象に残る球児になりたい」と目を輝かせる。=つづく
2月15日朝刊
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