私は起業家なので、いわゆる「9時5時の仕事」とは、スケジュールがだいぶ違います。「自分のライフスタイルは特別」と思いたいのが本音ですが、同じような夜型生活の人がたくさんいることは承知しています。
先ほど、「この2年間、毎日4時間半しか寝ていない」という22歳の男性に関する記事を読みました。男性はそのおかげで、一般の人に比べて、起きている時間が1年につき2ヶ月ぶん長いという計算になるそうです。その記事を読んで、思わず笑ってしまいました。私も普通とは違う睡眠サイクルで生活していますが、実践年数はその男性を3年も上回っていたからです。そもそも睡眠サイクルが何種類も存在するなんて、その記事を読むまでまったく知らなかったのですが。
たいていの人は単相性睡眠といって、毎晩7~8時間の連続した睡眠をとっています。それに対して、Eugene Dubovoy氏(22歳)は20歳の時に多相性睡眠に切り替えました。夜はいつも3時間半しか眠らず、日中に20分の短い睡眠を3回とって、それを補うのです。
私の場合、仕事のある日はだいたい朝の9時頃起きています。眠りにつくのはだいたい午前4時から5時なので、おおよそ5時間未満の睡眠で、新しい日を迎える計算になります。
多相性睡眠を実践しているDubovoy氏の場合とは異なり、私は睡眠時間を補うために、仕事を終えたあとで1~2時間の仮眠をとっています。この方法は一般的には二相性睡眠と呼ばれているようですが、私は「厄介ごと片づけ睡眠サイクル」と呼んでいます。
これは私の個人的な見解ですが、人生は短く、刺激に満ちています。1日24時間のうち8~10時間もベッドで過ごすなんてもったいなさすぎます。私が睡眠に費やす1秒の間にも、世界のどこかで誰かが動いていて、私をビジネスの世界から追い落とそうとしています。競争は不可避であり、私にはどうしようもありません。ならば、少しでも多くの時間を確保して、厄介ごとを片づけ、自社製品のユーザーの役に立つしかないのです。
とはいえ、私を駆り立てているものは競争のプレッシャーだけではありません。自分の仕事への熱意も原動力になっています。毎朝起きた時に「仕事を始めるのが待ちきれない」と言える人はそんなに多くないでしょうが、私はそう言えます。
私の1日の過ごし方は、だいたい以下のようになっています。
午前9時~午前10時:起きたら軽くヨガやストレッチをし、朝食とシャワーを済ませます。仕事に取り組む態勢が整うまではメールはチェックしないと決めているので、チェックは早くても午前10時以降です。
午前10時~正午:この時間帯は、その日のToDoリストの最重要項目にあてています。やることは日によってさまざまですが、例えばミーティング、電話やメールへの対応、ソーシャルコンテンツのスケジューリング、ソーシャルメディアでの広告キャンペーンの企画、経費報告書の作成などです。
午前12時~午後2時:さまざまなソーシャルコミュニティで、個人的な友人や、顧客や自社ブランドのファンの投稿を、読んだり確認したりして交流します。これは一般に考えられているよりも時間のかかる作業です。さまざまな大規模コミュニティのアカウントを、私1人で何十個も管理しているのですから。
午後2時~午後3時:ランチまたはミーティングに割り当てている時間帯です。
午後3時~午後4時:電話やメールへの対応、ミーティングなど。
午後4時~午後6時:ジムに行き、ウェイトリフティングと有酸素運動をします。
午後6時~午後7時:夕食。
午後7時~午後8時:「パワーナップ」(仮眠)。
午後8時~午後10時:「ダウンタイム」。日によりますが、たいてい読書や音楽鑑賞、友人や家族と過ごすのに使います。
午後10時~午前1時:職場のチームでチャットをし(たいていFacebookを使います)、その日の成果や明日の計画などを話し合います。
午前1時~午前4時または5時:「ひとりの時間」。ここで厄介ごとを片づけます。邪魔が入らないよう、メールやソーシャルメディアのほか、リアルの人間関係も遮断します。夜のこの時間帯こそ、一番良いアイデアが浮かび、執筆や学習がはかどる時です(この記事を書いているのも夜中です)。静かな環境でひとりになれば、特定の問題に集中でき、クリエイティブな解決策を思いつけます。
午前4時または5時~午前9時:睡眠。
週末には生活パターンが変わります。たいてい、ダウンタイムをもっと長くとり、大きなプロジェクトに集中して取り組み、家族や友人との時間を増やします。ふだん睡眠が足りていないぶんも、ここである程度補います。
強調しておきたいのは、毎日運動して、バランスの良い食生活を送っていることです。コーヒーは毎日の必須項目ではありません。自分の生活の原動力はコーヒーではなく熱意だと考えたほうが、良い気分になれます。
もちろん、この厄介ごと片づけ睡眠サイクルは、誰にでもお勧めできるものではありません。Dubovoy氏のような多相性睡眠は長期的に見て健康に悪いという指摘もあります。ただ、私の実践している二相性睡眠については、そうした議論を見たことがありません。睡眠に関しては、それが必要な理由も含めて、まだあまり解明されていないのです。
私自身の生理的感覚では、自分の体内時計は、いつまでも電池が切れない「エナジャイザー・バニー」と、いわゆる「夜更かしフクロウ」を足して2で割った状態なのだと思っています。たぶん、それは私がまだ若く、子どもがいないからかもしれません(人からはそんな風に言われています)。それが理由かどうかはわかりませんが、ともかく私の人生の現段階では、この睡眠サイクルは、理想とするワークライフバランスを完璧に満たしてくれています。皆さんのなかにも、この方法が向いている方はいるかもしれませんね。
The “Getting Shit Done” Sleep Cycle | Medium
Andrew Torba(原文/訳:江藤千夏/ガリレオ)
Image via grum_1 and blojfo (Shutterstock).
http://news.goo.ne.jp/article/lifehacker/bizskills/healthcare/lifehacker_36183.html