ここ数年は、秋の気配を感じることもなく、すぐに底冷えのする寒い時期になっていますね。お風呂の恋しい季節となってきましたが、せっかくお風呂で温まっても湯冷めしてしまっては台無しです。そこで、こちらの記事で「湯冷めをしない芯から温まる効果的な入浴法」をご紹介します。ぜひお役立てください。
湯冷めが起こる原因
温かい浴室から温度の低い脱衣所に出たり、汗をかいてもちゃんと拭かないと温かい体を冷ますために発汗、放熱が起きます。そうすると、体の表面から熱が奪われてしまい「湯冷め」を起こす原因となってしまいます。
湯冷めするとどうなるの?
温度の適応が遅くなっている高齢者は、湯冷めすると体温調整がすぐにできず、体温が低下しやすいため注意が必要です。また、眠りに入るときは副交感神経系活動が優位になります。このとき末梢血管が拡張することで手足の皮膚温が上昇し、放熱が盛んになります。この放熱作用は、体の奥深くの温度を低下させるのには有効ですが、湯冷めによって体が冷えてしまうと、このような体温変化ができません。これは、スムーズな睡眠を妨げることに繋がってしまいます。
入浴中や入浴前後のポイント
■1:浴室と脱衣所の温度差を少なくする
急激な温度差は体に影響を与えます。特に高齢者や高血圧の方は注意が必要です。脱衣所に暖房機を入れたり、浴室を予めシャワーなどで温めるなどの工夫をしましょう。
■2:汗や水はすぐに拭く
入浴後は、体を濡れたままにせず、汗や水はすぐに拭きとりましょう。体が濡れていると蒸発の際に体温が奪われ、体が冷えて湯冷めの原因となります。
■3:ぬるめのお湯にゆっくり長く入る
熱いお湯の方が温まると思われるかもしれませんが、熱いお湯には長く入れませんし、実は体にも良い訳ではなく、体表面しか温まりません。ぬるめのお湯に長く浸かった方が、温まった血液が末端まで行き渡り、芯まで温まります。
■4:保温効果の高い入浴剤を使用する
温泉のように温泉ミネラル配合の入浴剤を使用することで、体の表面の塩類が熱の蒸散を防ぎ保温効果を高めます。また、炭酸ガス発泡入浴剤を使用すると入浴中の血行促進効果をより高め、芯から温まります。また、上がり湯をしない方が期待できます。
■5:上がる時に末端を少し冷やす
体が温まるとどうしても汗が出て体の表面から放熱しようとします。手足の末端を少し冷やすと、皮膚表面のほてりや発汗を抑え、芯の温まりを保つことが期待できます。冷やし過ぎると体が冷えてしまいますので注意してください。
注意点
入浴すると大量に汗をかきますので、入浴前だけでなく後にも、コップ1杯分の水分を取りましょう。脱水症状を防ぎます。また、食後すぐに入浴すると、消化器官に集まっている血流を体全体にめぐらせてしまうため、消化に負担かけてしまいます。食事の前後1時間は、入浴は控えるようにしましょう。
おわりに
湯冷めを防いで、体の芯からあたたまる入浴方法をご紹介しました。一日の終りのお風呂に、お好きな入浴剤と共にリラックスして芯から温まる入浴を実践してみて下さい。メリハリのある入浴と良眠が、健康な体に導いてくれますよ。