パリでも大流行の香り付きキャンドル(ろうそく)。座禅などでも使われるお線香。フランス人は香水しかり、香りに敏感で、香りが大好きだ。
しかし、ここにきて厚生省は、香り製品に毒性の高い物質が含まれている可能性があるとして、調査のため、香り付きのキャンドルやお線香類の発売を今後数か月禁止する必要があるとした。
フランスで発売されている香り付きお線香は、ラベンダーや花などのエッセンシャルオイルなどの香りが多いが、最近ではヒノキの香りなどもある。もちろん合成なのだろうが、使われている成分から発がん物質が検出された。
キャンドルに使用されるワックスの成分にも、香りを定着させるための複数の成分が使用されている。また、お線香などのように多数の物質が含まれている場合、正確な組成を知ることは困難であり、使用禁止物質のリストもまだできていないという。
これからクリスマスシーズン。パーティやプレゼントに重宝な香り付きキャンドルも、しばらくご法度となるのであれば、香り産業に暗雲がたれ込めそうだ。
フランス人の家庭には必ずといってよいほどキャンドルがある。香り付きのものも、そうでないものも。もともと雰囲気作りが好きなフランス人にとって、キャンドルの明かりや良い香りのお線香などは演出にはもってこいだ。
フランスには網戸というものがないので、夏はテラスも窓も全開にしている。蚊取り線香ではなく、蚊取りキャンドルがあり、火をともすと独特な香りが立ちこめる。私も一度、テラスで蚊取りキャンドルを使ってみたが、どうも人工的な香りが我慢できずにすぐにやめてしまった。
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