筋肉をしなやかに保つと、体の動きがスムーズになり歩行が楽になる。さらに、転倒の危険を下げ、関節や骨がもろくなるのも防ぐことができる。家庭で行える運動法を紹介。
1.”しなやかな筋肉”がロコモのリスクを下げる
ロコモ(ロコモティブシンドローム)とは、筋力やバランス能力の低下などにより、寝たきりや介護が必要になるリスクが高い状態をいいます。自分がロコモかどうかを調べるには簡単なチェック方法があります。「いすから片足で立ち上がれない」「ひざや腰などの関節にたびたび痛みが出る」「運動などはしていないのに、最近体重が減ってきた」などに当てはまる場合は、筋肉の量や骨量が減っている可能性があり、ロコモの危険性が高いといえます。
筋力トレーニングとストレッチを併せて行うと、強さと軟らかさを兼ね備えた”しなやかな筋肉”をつくることができます。しなやかな筋肉は、体の動きを楽にするだけでなく、ロコモのリスクも下げることもわかっています。痛みやつらさを感じない範囲で、無理せず毎日続けて行うことが大切です。
2.しなやかな筋肉をつくる運動をやってみよう
注意!
・「ひざや腰に強い痛みがある」「高血圧がある」「心筋梗塞や脳卒中を発症したことがある」「医師に運動を止められている」という人は、下記の運動を行ってよいか必ず医師に相談する
・いすは安定しているものを用い、平坦な滑らない場所に置く
●前脛骨筋[ぜんけいこつきん]の運動
(歩行時にしっかりつま先を上げ、つまずきにくくする)
【筋力トレーニング】
(1)いすに浅めに腰掛け、左脚を前に伸ばす
(2)左脚の足首を曲げ、すねの筋肉が縮んでいることを意識しながらつま先を体のほうへ引き付けて、3秒間保ったら元に戻す
(3)これを10回繰り返し、反対側も同様に行う
【ストレッチ】
(1)床に正座し、上半身の姿勢を正す
(2)両手を体のやや後ろ側につき、体重をしっかりと両脚にかけることを意識しながら、上体を後方に倒す
(3)30秒間保ったら元に戻す
きついと感じる場合は...
正座の状態を30秒間保つだけでよい
●下腿三頭筋[かたいさんとうきん]の運動
(つま先でしっかり地面を蹴って歩行できるようにする)
【筋力トレーニング】
(1)いすの横に両足を肩幅くらいに開いて立ち、いすの背をつかむ
(2)ふくらはぎが縮んでいることを意識しながら両足のかかとを上げ、3秒間保ったら元に戻す
(3)10回繰り返す
楽にできる人は...
いすにつかまらず自分で体のバランスを取りながら行う
【ストレッチ】
(1)まっすぐ立った状態から右足を1歩分前に出し、両手を太ももの上に重ねる
(2)左足のかかとをしっかり床に着けたまま、上半身と左脚が一直線になるよう、上体を前に倒してそのまま30秒間保つ
(3)元に戻し、反対側も同様に行う
●大腰筋[だいようきん]の運動
(脚を前に踏み出す力を強くする)
【筋力トレーニング】
(1)いすの横に両足を肩幅くらいに開いて立ち、いすの背をつかむ
(2)床と平行になるように左脚の太ももを上げ、3秒間保ったら元に戻す
(3)右足の太ももを上げ、3秒間保ったら元に戻す
(4)左右交互に10回繰り返す
楽にできる人は...
いすにつかまらず、太ももを上げるときに反対側の腕を床と平行になるようにまっすぐ前へ伸ばす
【ストレッチ】
(1)右斜め方向を向いていすに浅めに腰掛け、右手でいすの背もたれを持ち、左手は腰に当てる
(2)右脚を45度くらい外側に開き、左脚をいすから下ろして後ろ側へ伸ばす
(3)その状態のまま、いすの背もたれのほうに上体を倒し、30秒間保ったら元に戻す
(4)反対側も同様に行う
http://news.goo.ne.jp/article/kenkotoday/life/kenkotoday-20130926-h-001.html