夏から秋にかけては紫外線や暑さで肌にダメージを受けやすい時期。シミやシワが増えてきた人は要注意! それは老化のサインかも。「男がスキンケアなんて……」は今や昔の話。正しいスキンケアを知り、若々しい肌を作ろう!
なぜ、夏に老けてしまうのか?
夏は肌にとって過酷な季節
夏は汗や臭いに悩まされるつらい季節だが、肌にもストレスが強くかかる時期。紫外線や気温といった環境要因と、熱帯夜による寝不足などの生活習慣の乱れが“夏老け”の原因になる。
夏老けとは主に次の四つが顕著になること。「シミ・シワ」、「大人ニキビ」、さらに肌トラブルが原因で起こる「抜け毛」と「におい」の増大だ。
まず第一に、なぜシミ・シワが夏に発生しやすいのか。青山ヒフ科クリニックの亀山孝一郎院長によると「最大の原因は、紫外線によるダメージです。男性は女性と違ってスキンケアをしていない人が多いため、長年のお手入れ不足で肌がボロボロの状態。加えてひげ剃りによって毎日肌を傷つけ、紫外線へのバリア機能を弱らせてしまっているのです」という。
人の皮膚は、外側を覆う「表皮」と、皮脂腺・汗腺・血管などがある「真皮」、体を暑さ・寒さ・衝撃から守る「皮下組織」で構成されている。そのうちシミに関係するのは、表皮。表皮は紫外線を受けると防御壁としてメラニン色素を生成し、紫外線を吸収する。それにより皮膚の奥に有害な紫外線が届くのを防ぐ。体を守るためのメラニン色素は、肌の一部で過剰に反応し余分に作られたり、肌に沈着すると、シミになってしまう。
一方、シワに関係するのが真皮。紫外線によって真皮の中にある線維が切断されてしまうのが原因だ。肌の弾力性を保つ線維が失われることで皮膚が弛緩してシワになる。
そしてシミとシワとは別の要因で起こるのが、大人ニキビ。原因は暑さで皮脂や汗が多く分泌されるため。さらに猛暑での睡眠不足や汗による不快感でストレスが加わる。「ストレスは皮脂分泌を促すホルモンを増やすため、さらに皮脂が増加します。すると毛穴に皮脂が詰まりやすくなり、大人ニキビができるのです」(亀山さん)。
シミ・シワ・大人ニキビは主に「紫外線によるダメージ」と「暑さによる皮脂分泌」の2大要素が原因とわかったが、抜け毛や臭い増加の理由も同じである。亀山さんは「顔もそれ以外の部分も、紫外線対策とこまめなスキンケアに加え、バランスの良い食事やビタミンC・B・Eなどのサプリメントをとるなど、体の外と中からケアをすることが大切」という。
男の肌トラブル一問一答
Q睡眠、バランスのよい食事、適度な運動…… わかってはいるけれど、忙しいからムリ……
A1日5分でいいので湯船でくつろぐ時間を作る 「ストレス社会で交感神経がずっとオンになった状態は肌にも健康にもよくありません。リラックスする副交感神経のスイッチを入れるために、毎日5分、湯船につかって何も考えずにくつろぐ時間を作って」(亀山さん)。
Qスキンケアをしていても効果を感じられない……
AビタミンCのサプリメントで体の中からケアを 「外だけではなく中からもケアを。通常、ビタミン類は体内に入ってもエネルギーの代謝や食物栄養素の分解や合成などに優先的に使われてしまいます。抗酸化作用などのビタミンの効果を皮膚まで行き渡らせるためには意識的にサプリメントをとって」(亀山さん)。
Q顔色が黄色くくすんで表面もごわごわしている
A肌が“糖化”しているのかも…… 「脂質や糖質の過多で体内のたんぱく質と糖を代謝しきれなくなり、余剰なたんぱく質と糖が結合してしまうのが“糖化”。肌の場合はコラーゲンが糖化すると、表面の弾力性がなくなります。肌のケアはもちろん、食生活などにも気を配りましょう」(亀山さん)。
Q丁寧に洗顔していても肌が荒れてしまう
Aひげ剃りの方法が間違っているかも 「丁寧に顔を洗っても、雑菌がついたシェーバーでメタルピーリングをしていては洗顔の効果が半減するうえ、肌も傷ついてしまいます」(亀山さん)。正しいひげ剃りの方法を次ページで紹介しているので、お試しを。
Q肌が荒れても美容皮膚科には行きづらい
A症状が悪化する前に、気軽に専門医へ 「男性は肌のことになると、症状がひどく悪化してからでないと来院しない傾向が。炎症が長引く、痛みがあるなどの症状があれば、早く専門医に」(亀山さん)。
◇ ◇ ◇
今ケアをするかしないかで5年後、10年後が大きく変わる。詳しいケア方法や商品を次のページから紹介しよう。
【スキンケア術】正しいスキンケア 6つの方法をマスターせよ!
肌を手入れしても何も変わらない……。それはスキンケアの方法に問題があるのかも。洗顔、ひげ剃り、保湿、日焼け止め、頭皮ケア、臭いケアについて再度おさらいを。正しい方法を身に付けて、老けない肌になろう!
できる男ほど肌のツヤがいい!
スキンケアの重要性は先に述べたが、では具体的には何から始めればいいのか。「まずは保湿が重要。男性は皮脂を除こうと洗顔を重視し、保湿をおろそかにする傾向があります」と資生堂のリレーショナルブランドユニット グループリーダーの大樂正孝さん。
皮脂は外の刺激から皮膚を守る大切なもの。洗顔で皮脂を除かれると、肌は自身を保護するために更に皮脂を分泌させる。これをストップさせるのが、保湿だ。「洗顔後に保湿をしない人がいますが、ベタベタの原因は乾燥です。肌の水分量が不足しているため、これ以上蒸散しないように皮脂で油膜を張るのです。きちんと保湿をすれば皮脂分泌のバランスはよくなりますよ」(大樂さん)。
保湿は、化粧水で肌を潤し、乳液などの油分で蓋をするのがコツ。2~3アイテムを使うと手間がかかるが、1本で化粧水と乳液の機能を持つ商品もあるので気軽に挑戦できる。
「男性用化粧品には男性の皮膚生理を研究した技術が注がれています。女性用高級ラインに匹敵する商品も多い」(大樂さん)※SPFとは……UV-Bの防止効果を示す。SPFの上限は50+。 ※PAとは……UV-Aの防止効果を示す。PAには+、++、+++、++++があり、数が多いほど効果が高い。
(取材・文・構成/スタジオポルト、イラスト/さとうただし)
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130919-01051187-trendy-hlth
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130919-01051187-trendy-hlth&p=2