[ カテゴリー:社会 ]

イプシロン打ち上げ…国産新ロケット12年ぶり

宇宙航空研究開発機構(JAXAジャクサ)の新型ロケット「イプシロン」が14日午後2時、鹿児島県肝付町きもつきちょうの内之浦宇宙空間観測所から打ち上げられた。

日本の新型ロケットの打ち上げは2001年の「H2A」以来、12年ぶり。内之浦からの衛星打ち上げは7年ぶり。

イプシロンは、全長24・4メートル、重さ91トン。最大1・2トンの衛星を打ち上げることができる。打ち上げ費用を先代のMミュー5ロケットの半分(38億円)に抑えたのが特徴。初打ち上げとなる今回は、世界初の惑星観測専用の望遠鏡衛星「スプリントA」を積んでいる。先月27日、コンピューターが姿勢異常を誤検知し、発射19秒前に打ち上げが中止されたため、総点検を行って問題点を修正し再挑戦にのぞんだ。この日も、発射直前になって、立ち入りが制限されている海域に船が近づいたため、打ち上げは予定より15分遅れた。

イプシロンは、ゴムの材料や金属を混ぜた固体燃料を燃やして飛行する。日本は半世紀以上にわたって、固体燃料ロケットの技術を積み上げてきた。

開発には205億円を投じた。性能向上を目指してきたロケット開発の方針を見直し、省力化と低コスト化を徹底した。H2Aの下部に取り付けられる補助エンジン(固体燃料ブースター)や、M5のエンジンなど既存のロケット部品を転用することで、エンジンを新規に開発せずに新型ロケットを作り出した。

新たな試みとして、打ち上げ前の準備作業を抜本的に変えた。これまでは多くの人手をかけて行っていたロケットの点検は、機体に内蔵させた人工知能を中心に実施。地上からロケットに指示を送る管制も、パソコン2台で行えるようにした。こうした改良によって、従来の10分の1以下の人数で打ち上げに対応できる。

JAXAでは今後、イプシロンを改良して打ち上げ費用を30億円以下にしたい考えで、需要が今後増えると見込まれる数百キロ~1トン級の小型衛星の商業打ち上げを目指していく。

この日は、観測所近くの見学場にも県内外から多くの人が詰めかけた。イプシロンは白煙と轟音ごうおんを伴って上昇していった。

http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/life/education/20130914-567-OYT1T00524.html

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