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体重が落ちてからが、本当のダイエット

大手小町では、110キロから55キロ減のダイエットに成功した、アユミさんの体験記『『アユミのダイエットメモリー』が連載中です。ヨミドクターでは、アユミさんの体験談に連動して、肥満研究の権威でもある医学博士・宮崎滋さんにダイエットについてアドバイスをしていただきます。

体重が110キロを超えたアユミさんは、一時、ダイエットをあきらめかけます。彼女の意識を変えたのは、1冊の大学ノートとお母さんの助言でした。

1週間で1キロずつ減ったらどうか、500グラムずつだったらどうか? あらゆる可能性を大学ノートにグラフにして書いてみたそうです。この、ダイエット予想グラフがアユミさんに希望を与えました。――少しずつでもやせ続ければ、いつかきっと理想体重になれる。

「ダイエット予想グラフには新鮮な驚きを感じました。私たちには思いつかない発想です。アユミさんは自分の力で絶望からポジティブな思考へと切り替えていった。ふつう、過食になるとなかなか軌道修正できないものです」と宮崎さん。アユミさんの几帳面さと真面目さが、ダイエットを続ける原動力になったのだといいます。

「100キロ超えの方がダイエットを始めると、まず、ストンと体重が落ちます。過食していた人が普通の食事にすれば、カロリー摂取量も減るわけですから、その分やせるのは当たり前。塩分の摂取量も減るので、水分が出てむくみが取れ、10~20キロくらい落ちることもまれではありません。でも、ここからが本番なんです。ある程度やせたら、普通の食事では体重が落ちなくなる。たとえば、摂取カロリーを2000キロカロリーから1500キロカロリーに抑えなくてはならない。ダイエットを始めた頃のように、目に見えてやせないので、くじけてしまう。ここで、あきらめてしまう人が多いんです」

アユミさんは、お母さんの協力を得て、具がたっぷり入ったみそ汁とごはんを中心にしたメニューを考案します。やみくもに食事制限するのではなく、“食べてやせる”ダイエットを実践します。

「アユミさんが、がんばれたのは、家族のフォローが大きかったのでしょう。また、食事だけでなく、軽い運動を取り入れたのも効果的でした」

体重が100キロあるような人が急に激しい運動をすると、ひざを痛めたり、心臓に負担がかかったりするそうです。

「アユミさんは、室内で足踏み運動をしたそうですが、段差を使って上り下りする運動も効果があります。これは、お年寄りや寒冷地で外出ができない場合もおすすめです。厚労省では“+10”という運動を推奨していますが、これは、“今より10分多くからだを動かそう”という取り組みです。1日に何キロもジョギングする必要はないんです。まず、10分からだを動かすことから始めればいいんです」

厚生労働省は健康のために「+10(プラステン)から始めよう!」と題して、「地域で」「職場で」などの具体例とともに、今より10分多く体を動かすことを目標に掲げている。(参考:厚生労働省『「健康づくりのための身体活動基準2013」及び「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」について』

宮崎滋(みやざき・しげる)
公益財団法人結核予防会・新山手病院生活習慣病センター長。1971年、東京医科歯科大学医学部卒業。医学博士。糖尿病、肥満症、メタボリックシンドロームの治療に従事。東京医科歯科大学医学部臨床教授、東京逓信病院外来統括部長・内科部長・副院長を経て2012年より現職。日本内科学会、糖尿病学会認定医・指導医、日本肥満学会副理事長・評議員などを務める。著書に『最新版 本気で治したい人のメタボリックシンドローム 』(学研/1200円・税別)、『健康診断で中性脂肪値が高めの人が読む本』(幻冬舎/1200円・税別)など

 

110キロから55キロ減のダイエットに成功した、アユミさんの体験記『アユミのダイエットメモリー』は大手小町で連載中です。

『アユミのダイエットメモリー』はコチラ⇒

http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=83813

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