現在は学会が独自に認定している専門医を、統一した基準で認定するための第三者機関「日本専門医機構」が、今秋にも発足します。専門医のあり方が論議されるなかで、内科や外科、小児科などと並ぶ「基本領域」の専門医の一つとして、患者を幅広く診ることのできる「総合診療医」が加わることになりました。
英語ではジェネラリスト(一般医)と言いますが、言わば「スペシャリスト(専門医)としてのジェネラリスト」を養成しようというものです。
患者を総合的に診ることができる医師が求められるのは、医療の高度化に伴い、医師の専門分野が細分化されてしまったことの反動とも言えます。特に高齢化の進んだ社会では、1人の患者が複数の病気を持つことが珍しくなく、細分化された専門医ばかりではいくら医師がいても足りません。
国の社会保障制度改革国民会議が今月まとめた報告書でも、かかりつけ機能を持つ医師として、総合診療医を養成することの重要性が強調されています。
総合診療医は、いくつかの学会によって普及が図られてきた経緯もあって、考え方が微妙に異なり、名称もプライマリケア医、家庭医、総合医など、様々な呼ばれ方をされてきました。
2010年に三つの学会が合併して日本プライマリ・ケア連合学会が発足。現在は「家庭医療専門医」という名称で専門医を認定しています。一方、同年には病院の医師を中心とした日本病院総合診療医学会も発足しています。基本領域に位置づけられたことで、専門医機構による養成プログラム作りが進められる見通しです。
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