異性との素敵な出会いは欲しているけど、口下手なので合コンやお見合いパーティーに参加するのは気が引ける。…そんな悩みを抱えている人、少なくないだろう。
初対面の異性ともスマートに会話ができ、その場の空気をリードするような口達者は、やっぱり得だ。でも、だからといって恋愛をあきらめるわけにもいかないし…。なにか良い手はないだろうか?
「自分が口下手であることを知っていながら、相手の気を引こうと頑張って話すから、かえって失敗してしまうんですよ。それならむしろ、最初に“自分は口下手だ”と宣言してしまった方がいいでしょう」
そうアドバイスするのは、心理学者の内藤誼人先生。口下手であることを隠そうとするよりも、最初から相手の期待値を下げてしまった方がいいというわけだ。これには心理学的な裏付けもあるという。
「米ルイジアナ州立大学の心理学者ジェームズ・ハニーカット氏は、面識のない男女を集めてペアを作り、それぞれ5分間トークさせる実験を行いました。この際、無作為に選んだ人物に対して、“あなたと話す相手は口下手な人ですよ”とか、“相手はとてもおしゃべりな人ですよ”といった前情報をランダムに与えました。その結果、前者の情報を伝えられた人は、平均して、5分間のうち半分以上の時間を自らが話し、後者は5分間のうち115秒ほどしか話さなかったそうです」
つまり、相手が口下手であることを先に知ると、人は「自分が話さなければ」と考える傾向があるのだと内藤先生は解説する。
「これは口下手にかぎらず、シャイであったり人見知りであったり、コミュニケーション上、ネガティブに作用しそうな性分全般にいえることでしょう。無理に頑張ろうとするよりも、時には相手の力をお借りするくらいの気持ちでいた方が、かえって相手も楽しめるのではないでしょうか」
話術を磨く努力も大切だけど、これは試してみる価値ありでは…?
(友清 哲)
(R25編集部)
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