睡眠障害:照明で改善 名古屋大などが開発
名古屋大と愛知県立大、愛知県豊川市の照明器具製造「ミヤチ」は8日、太陽光線の青色波長の増減で人が目を覚ましたり、眠くなったりする仕組みを応用し、光の明るさなどを変えずに青色波長を増減させることができる発光ダイオード(LED)電球を使用した「スマート照明」を開発したと発表した。青色波長を変化させることで、睡眠障害などの改善が期待され、ミヤチは来年中の商品化を目指す。
名大などによると、人は青色波長の多い朝日を浴びると、眠りを誘うホルモン「メラトニン」の分泌が減って目を覚まし、夕日を浴びると分泌が増え眠くなることが以前から知られていた。開発グループは5色以上のLED球を組み合わせ、青を増減させる一方で、コンピューター制御で赤と緑を調整して全体の光量などを保てるようにした。
高齢者入所施設での実証試験で、被験者19人の個室や談話室などにこの照明を設置し、1カ月間、朝は青を多くし、毎日午後4時ごろから緩やかに青を減らして、唾液中のメラトニン量を毎朝測った。この結果、蛍光灯を使っていた実験前に比べ、2週間でほぼ全員が分泌量を減らし、夜に目を覚ましたり、昼間にうたた寝をしたりするなどの症状のあった人の多くに改善が見られた。
ミヤチの宮地清和社長は「治療目的ではなく、予防的な観点で一般に使ってもらう照明器具として市場に出したい」と話している。【花岡洋二】
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/20130809k0000m040143000c.html