旅行中にお腹の調子が悪くなることがある。慣れない食べ物は言うに及ばず、食事の変化や時差が胃腸システムに大混乱をもたらしかねないからだ。ハーバード大学医学大学院の准教授で、ボストンのベス・イスラエル・ディーコネス医療センターの胃腸科医でもあるアンソニー・レンボ氏は、旅行中の特徴的な問題は驚くほど共通していると話す。レンボ氏が旅行中の過ごし方について、ちょっとした秘訣を伝授する。
大きなカップで飲む朝のコーヒーは良い選択か
イエスでもあり、ノーでもある。レンボ氏によると、コーヒーは刺激剤として作用するため、朝の1、2杯のコーヒーで規則正しい毎日が始まるという人も多い。
しかし、その一方で飲み過ぎると脱水症状を起こす危険性がある。内臓を動かすために、からだは適切な水分量を含んでいる必要があり、コーヒーを飲み過ぎると大事な水分が排出されかねない。
レンボ氏は「大人のほとんどはカフェインを朝に飲む。私もそうしなさいと言っている。トイレに行くことができ、コーヒーの利点を活かせる朝の早い時間に飲むのがいい」と話す。
ドラッグストアの下剤コーナーで薬を選ぶのは骨が折れる。一番良い薬は
レンボ氏によると、酸化マグネシウムを使った「Milk of Magnesia」のような内臓に水分を引き込む浸透作用のある便秘薬が一番使いやすいという。服用者が量をコントロールしやすいからだ。繊維質が豊富な食事ができなければ、繊維質を補給してくれる便秘薬が旅行中には有益だろう。繊維質のサプリメントには天然成分のものと人工成分のものがある。レンボ氏によると、人工成分の利点は、ガスの発生と膨満感が少ないことだという。もっと重症な場合には、「Ex-Lax」のような腸を空にしてくれる刺激性の下剤をレンボ氏は勧める。
成分は異なるように見えても、便秘薬の種類はこれらのカテゴリーに分けられる傾向があり、あとはアロエのような素材が追加されているだけだ。レンボ氏はこういった追加の素材はほとんど意味がないという。薬剤の表示に混乱したら、かかりつけの医師に尋ねたほうがいいかもしれない。
薬に頼らないためには何を食べればよいか
もちろん繊維質をとることが鉄則だ。しかし、これも摂取しすぎると膨満感につながる可能性が高い。
乳酸菌の入ったヨーグルトを1日に2~3回分を摂取すると腸の働きが良くなるというデータもあるとレンボ氏は指摘する。中には辛い食べ物が良いという人もいる。
運動は有効か
旅行中に運動をするのは難しいだろう。だが、その価値はある。本当に汗をかけばなおさらだ。
レンボ氏によると、年配の患者に対する軽い運動療法では定期的な便通に効果はなかったという。レンボ氏は「活発な運動であればあるほど、効果は大きい」と述べ、「マラソン選手は通常、便秘はしない」と語った。
THE WALL STREET JOURNAL
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