肉の代わりに豆腐などの安い食材を足し、ボリューム豊かに見せる「かさ増し」。節約の観点から注目を集めることが多いが、実は健康やダイエットにも効果的だ。東京・南麻布の日本料理店「分(わけ)とく山」総料理長、野崎洋光さん(60)に家庭料理をおいしく「かさ増し」する方法を聞いた。(清水麻子)
おなかいっぱい
野崎さんは近著『野崎さんのおいしいかさ増しダイエットレシピ』(1365円、柴田書店)で、バラエティー豊かな「かさ増し」方法を紹介している。
一般的なダイエットは食事量を少量にして野菜を摂取するよう促すが、野崎さんのレシピはおなかいっぱい食べても太らないという。
野崎さんは「油を極力使わず、素材の味を大切にしながら、野菜やキノコ、海藻類でかさ増しします。繊維質やビタミン、ミネラルを多く取り入れつつ、もちろん重要な肉や豆腐などのタンパク質も十分取り入れます」。
卵焼きはだしで卵をのばし、ワカメやタケノコのすりおろし、キノコ、長イモの千切りなどをお好みで混ぜるとおいしく健康に良い。
「ひき肉はかさ増ししやすい食材の一つです。極力、カロリーの低い鶏や赤身の豚や牛のひき肉をベースに、しらたきやキノコ、さまざまな野菜のみじん切りを混ぜ込んでかさ増しし、団子やハンバーグなどにすれば健康的です」
魚のすり身もひき肉同様、さまざまな材料を混ぜ込みやすいので、かさ増ししやすい。市販のすり身もあるが、塩分がかなり高いため、できればフードプロセッサーですり身にするのがいいという。
気持ちも軽く
カロリーがあるご飯は、しらたきを混ぜるといい。1合のお米に150グラムのしらたきを混ぜ、1合分の水で炊くと430グラムのしらたき入りご飯に。茶碗(ちゃわん)2膳分がしらたき入りご飯なら3膳分にかさ増しできる。
しらたき入りご飯でおむすびを作り、田舎みそやしょうゆを塗って火であぶれば焼きおむすびができる。しらたきが入っていることを感じさせないほどおいしく仕上がる(みそは両面に塗るとしょっぱくなるので塗るのは片方のみ)という。
春雨そばもしらたきでかさ増し。野菜もたっぷり入れるとボリューム感が出るが、カロリーは121キロカロリーと低い。
野崎さん自身、昨年7月から2カ月間、かさ増しレシピの料理の食べ続けたところ、10キロ以上も体重が減少。体調も改善し、気持ちも軽くなったという。野崎さんは「ぜひ実践してみてほしい」と話している。
【サワラのすり身どんぶり】《材料・2人分》
「かさ増しすり身」=サワラ(切り身)…100グラム▽ゴボウ(ささがき)…35グラム▽キクラゲ(戻したもの)…20グラム▽ニンジン(みじん切り)…20グラム▽山芋(すりおろし)…20グラム▽水…70cc▽薄口しょうゆ…大さじ1/2
ご飯…300グラム▽浅草のり…1枚▽三つ葉(ざく切り)…5本▽おろしショウガ、しょうゆ…各少量
≪作り方≫
〔1〕サワラは薄塩(分量外)をふり、30分ほどおいて水分を抜き、水洗いして水気を拭く。
〔2〕サワラの皮を引き、フードプロセッサーで粗めのすり身にする。ゴボウ、キクラゲ、ニンジンは下ゆでして冷まし、その他の材料とともにすり身に混ぜる。
〔3〕ラップを敷いたバットに(2)を平らにならし、とんとんと下に落として中の空気を抜く。湯気の立った中火の蒸し器で15分間蒸して取り出す。
〔4〕グリルですり身に焼き目を付け、しょうゆを塗る。半分に切り、さらに7切れに切り分ける。
〔5〕ご飯にちぎったのりと、湯通しした三つ葉を散らす。その上にすり身7切れを盛り、すりおろしたショウガを添え、好みでしょうゆを垂らす。
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【春雨そば】《材料・1人分》
春雨(戻したもの)…55グラム▽しらたき…60グラム▽ゴボウ(ささがき)…40グラム▽大根(千切り)…25グラム▽だし汁…300cc▽薄口しょうゆ…20~25cc▽水菜…25グラム▽赤・黄パプリカ(千切り)…計25グラム ▽白髪ネギ…10グラム
≪作り方≫
〔1〕春雨をぬるま湯で、あらかじめ戻しておく。
〔2〕だし汁にゴボウ、大根を入れて煮る。火が通ったら薄口しょうゆで味をつけ、春雨、しらたきを入れて温める。
〔3〕(2)をどんぶりに盛り、水菜、パプリカ、白髪ネギを添える。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130609/trd13060907510004-n1.htm
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