八尾市山城町のふじ保育園がトマトを苗から育て、食育教育にも活用した取り組みで、苗を提供した食品メーカー・カゴメ(本社・名古屋市)から表彰状を贈られた。園児たちが大切に栽培し、収穫したトマトを親子で調理するなど、保護者を巻き込んだ取り組みが評価された。表彰状を前に、園児らは「とれたてのトマトはおいしかった」などと楽しい思い出を振り返っていた。
カゴメは、99年から「凛々子(りりこ)わくわくワークショップ」と題して、トマトジュースの原料品種「凛々子」の苗を、全国の幼稚園や保育園、小学校などに無償提供している。昨年は、希望した3811校園が配布を受け、うち97校園が栽培、調理を通した学習効果をリポートにして提出。5校園が「凛々子賞」を受賞し、ふじ保育園では21日に表彰式が行われた。
保育園・幼稚園では唯一の受賞だったふじ保育園は、96株提供された。昨年4月末に、4、5歳児93人が園内のプランターや近くにある同園の畑で栽培。水やりを欠かさず大切に育て、6月に収穫し、その場で食べたり、ジャムを作ったりした。また、授業参観では親子でピザも作った。
この間、栽培の様子を園のホームページなどで報告すると、保護者が苗持ち帰って家庭菜園を始めたり、「炙(あぶ)り鶏のトマトつけ麺」など新たなレシピを考案したという。
平井和代園長(51)は、「子どもたちは、苗を大事そうに触り、黄色い花が咲いた時には目を輝かせていた。命ある植物を育てることの喜びや、命をいただいて自分たちが成長していくことを感じてくれたと思う」と話した。
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