行方不明者を捜索中の消防隊員が川で溺れて死亡した阿賀町で、行方がわかっていない男性の捜索が29日行われましたが、発見できないまま捜索はいったん終了しました。消防では捜索を続けるとともに、今後、消防隊員が川に取り残された際の詳しい状況についても調べることにしています。
28日、阿賀町豊実の山に山菜採りに出かけた地元の会社員の男性が戻らず、阿賀町消防本部の隊員らが捜索していたところ、雪どけの水で増水していた実川の支流の裏川で隊員4人が身動きが取れなくなり、このうち消防司令補の清野健治さん(39歳)が溺れて死亡しました。
山菜採りに行った男性は依然、行方がわからず、29日も警察と消防およそ20人が出て捜索が再開されました。
捜索の現場は岩が切り立つ険しい谷で、川も流れが激しく危険なため、捜索隊は川には入らず双眼鏡を使って目視で橋の上などから捜索しましたが、男性は発見されず、雨が強くなったため、捜索は予定より早く午後3時で打ち切られました。
地元の地区長をしている猪俣仁美さんは「今の時期になると川の水かさが夏の倍以上になって流れも急になり、山菜採りや釣り人の遭難が起こりやすい。川に入るのは危険だったのではないか」と話していました。
隊員1人が死亡した阿賀町消防本部の齋藤望消防長は「隊員が亡くなったことは大変残念で申し訳なく思う。安全確保が十分だったか検証していきたい」と話していました。
行方不明の男性の捜索は30日も朝から行われ、阿賀町消防本部では調査委員会を設けて、消防隊員が川に取り残された際の詳しい状況について調べることにしています。
http://www3.nhk.or.jp/niigata/lnews/1034908981.html?t=1369865919905