制御棒の安全限界探る
東京電力は12日、東芝と共同で実施する柏崎刈羽原子力発電所の地震停止実験について、月内に始めると正式に公表した。 同日開かれた、専門家が同原発の安全性を議論する県技術委員会の「設備健全性、耐震安全性に関する小委員会」の中で明らかにした。
実験は、原子炉を安全に止める装置「制御棒」の性能について、設計上の想定に対し、実際の地震の揺れの中でどの程度の余裕があるのか、真の安全限界を探るもの。
制御棒は原子炉内の核燃料集合体の間に差し込まれて核分裂を抑え、運転を止める。 しかし、地震の際は、燃料集合体のたわみ具合にバラツキが出て集合体間の隙間が狭まり、制御棒が入りづらくなる恐れが専門家から指摘されていた。
このため、実験では起震台に制御棒や燃料集合体を模したものを載せ、実際に揺らしながら、制御棒挿入にかかる時間などを確かめる。
同原発では建設時にも制御棒を揺らす実験をし、大地震でも制御棒が問題なく原子炉に入ることは確認している。 だが、この時の実験では、たわみにどの程度のバラツキが出たかのデータは残っていない。 また、コンピューター解析でも、実際の揺れでバラツキがどう出るかは正確に考慮できないとして、県技術委が実験を求めていた。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/niigata/news/20110113-OYT8T00154.htm-YOMIURI ONLINE