繊維産業てこ入れのため、県が県内繊維メーカーと新たな市場開拓として取り組んできた生活雑貨分野の製品が、4月から全国販売されることになった。福岡県を皮切りに広島県、千葉県で販売し、3県での売れ行きを見ながら他県での販売展開を探る。繊維産業は主力の衣類が中国からの安価な輸入品に押され厳しい状況が続いており、異分野開拓が不可欠となっていた。県は今後も販路拡大に注力し、苗木用保護シートといった産業用資材などの製品販売も後押しする。
全国販売するのは第一ニットマーケティング(見附市)、ハニーインターナショナル(同)、白倉ニット(長岡市)など6社。風呂敷や部屋履き、トートバッグ、ペットボトル用カバーなど約30種類を売り出す。価格は3千~1万5千円程度の見込み。
県産業振興課が昨春、都内で生活雑貨用の試作ニット製品の展示会を流通関係者向けに開いたところ、好感触を得られ、商談につながり全国展開する運びになったという。
最初に岩田屋本店(福岡市)で4月3日から9日まで販売会を開く。続いて、10~16日が福岡三越(同)、5月7~13日に広島三越(広島市)、8~14日に千葉三越(千葉市)で開催する。
県内はニット生産地で知られる五泉市、見附市を抱え、男女向けともにニット製品出荷額で国内シェア首位を誇る。しかし、ピーク時の昭和46年に370社あった県内ニット企業は平成23年に47社まで減少し、年間生産額も3年の1287億円から下がり続け、23年は162億円とピーク時の13%まで落ち込んでいる。
低コストを背景にした輸入普及品ニットの販売価格は、国産の5分の1程度と安く、国内衣類市場の9割以上を輸入品が占める。従来市場で県産品が存在感を示すのは難しく、新市場の確保が課題となっている。
産経新聞
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