五泉市佐取の咲花温泉旅館協同組合は16日から、各旅館が提供する料理と地元の蔵元が推奨する地酒がコラボレーションした「五泉市地酒プロジェクト」に取り組む。料理と「泉都」五泉で育まれた清水などを使って造られた地酒を通して、温泉地ならではのおもてなしを旅人らに提供し、楽しんでもらう初の試み。同プロジェクト事務局を務める「一水荘」の岡崎昭彦専務は「訪れる皆さんと、料理や地酒を通して楽しくふれあいたい」と意気込む。
市内には蔵元が2社がある。五泉地区の蔵元「近藤酒造」は菅名岳(標高909メートル)山中から湧き出る清水を「寒九の水くみ」としてイベントを実施しながら仕込み水に使用。また村松地区の蔵元「金鵄盃(きんしはい)酒造」は霊峰・白山(同1012メートル)を源とした「天狗の清水」を仕込み水に利用し、酒造りに取り組んでいる。
同組合は、料理に合う美酒を求めて両蔵元を訪れ、酒造りの現場を見学。試飲し、杜氏(とうじ)の意見も参考にしながら、それぞれの料理に最も合う銘柄として主に推奨する6銘柄を選んだ。組合ではPR用のチラシも作製し、プロジェクト盛り上げの準備を進めている。
一方、同温泉地では「酒の銘柄をもっと知ろう」と、旅館の従業員の中には、新潟清酒の知識を持つ「達人」を認定する「新潟清酒達人検定」(同検定協会主催)を受験する人も増えている。
同温泉の「佐取館」では、昨年の同試験で3級に相当する「銅の達人」に2人が合格した。同温泉地では初めてだ。
同館は今年1月から、女性従業員を中心に検定に向けて勉強会を始めた。毎月数回、同検定協会の公式テキストを使って一緒に学んでいる。従業員の今井里菜さん(21)は「しっかり勉強して合格したい」と意気込む。若女将の林麻衣さん(35)は「酒の味や他の銘柄との違いなど、特に県外のお客さんに聞かれることが多いですね」と話していた。
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